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2020年02月22日
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テーマ:本日の1冊(3116)
カテゴリ:読書
米国政府が違法な手段で海外要人の情報を入手し監視していたことを世界に暴露した元CIA職員の手記について、9日の東京新聞は次のような書評を掲載している;


 人は、自らの行いがあまりに罪深きものであることを知ってしまったとき、吐き気を催すものらしい。

 1995年、英国の名門、ベアリングズ銀行のトレーダーだったニック・リーソンは、相場急落で巨額の損失隠しがもはや不可能になったと分かったとき、シンガポール国際金融取引所のトイレに駆け込んで嘔吐した。

 2013年、米国の国家安全保障局(NSA)に勤務していたエドワード・スノーデンも、監視対象となっていたインドネシア人学者のパソコン操作を盗み見ているうち、パソコンのカメラの視界に入ってきた学者の息子らしき赤ん坊と一瞬目が合ったように感じた直後、耐えられなくなり、トイレに駆け込んで嘔吐したと、本書の中で述懐している。




 ただ、リーソンが単に逮捕を恐れて逃亡しようとしていただけだったのに対し、スノーデンは、米国諜報機関がひそかに違法な大量監視を行っている証拠を、命懸けで世界に「開示」しようと既に決意していた。

 スノーデンは、米中央情報局(CIA)やNSAで連邦政府の情報収集活動に携わり、同年6月、米国政府による違法な情報収集の証拠を持ち出し、ジャーナリストたちの手に委ねた。この行動によって、米国政府が世界中で大規模なプライバシー侵害を行っていたことが白日の下にさらされた。

 読者は、著者がパソコンに夢中になっていた少年時代から、諜報業界での活動を経て国外に脱出し、「政府の悪行」の証拠を「開示」するまでの旅路を追体験することになる。告発はなぜ行われたのか。その経緯と理由が全編を通じて明らかにされている。

 著者は自分が奉仕を誓ったのは「ある機関に対してではなく、政府に対してですらなく、国民に対して」であるとして、告発の正当性に加え、独立戦争時の内部告発の伝統に連なる正統性をも主張する。訳文は決して読みやすくはないが、かえって正確な表現に心を砕く著者の情熱が伝わってくるようだ。
<評・内田誠(ジャーナリスト)>


エドワード・スノーデン著「スノーデン独白 消せない記録」(山形浩生訳、河出書房新社)2090円


<エドワード・スノーデン:CIA職員、NSA契約業者として働き、米政府の大量監視システムを暴露。>


2020年2月9日 東京新聞朝刊 9ページ 「読む人-命懸けの告発 正統性説く」から引用

 アメリカが違法な手段で世界中の情報を収集していたことが暴露されたのは、大きな事件であるように私は感じたのであったが、アメリカ政府はそのことにどう対応したのか。あの時は確か、ドイツのメルケル首相の携帯電話もアメリカ政府によって盗聴されていたことも明らかになったように記憶しているが、アメリカ政府がメルケル氏に謝罪したというような報道はなかったような気がする。考えて見れば、60年代の終わり頃、米軍がベトナム戦争に介入したときも、トンキン湾にいた米軍艦船に北ベトナム軍(当時)が先に発砲してきたから応戦したのだと発表したのであったが、後になってそれはウソで、先に米軍が徴発したものであったことが明らかになっている。ハワイが米国に編入されたのも、米軍がホノルルの王宮を暴力的に制圧した結果であったし、歴史を紐解けばアメリカ政府による不祥事は数え切れない。






最終更新日  2020年02月22日 01時00分07秒
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 正統性なぁ…   wolf さん
> メルケル首相の携帯電話もアメリカ政府によって盗聴されていた
>
正直、法律はともかく技術的には傍受自体はどうとでもなる無線通信なんぞで、一国のトップが重要な話をするとは思えんが。その辺の機密保持はしっかりしてると思うんだけどね。日本はザルそうで怖いな。

他国の情報収集については、盗聴に限らず非合法な手段を含めて、やったりやられたりしてないとは思えないが。法律の問題じゃなく、安全保障や諜報/防諜レベルの話で。
ドイツも非難はしてたもののそう激烈なものだった記憶もないし、多分お互い様なんじゃないかな。
極端なことを言えば、自国の一般国民に対しての盗聴はマズイし意味は無いけど、他国や監視対象勢力に対する諜報活動は、安全保障上の必要事項って気がするが。その辺日本は攻守共に弱そうなイメージ。公安とかちゃんと機能して充分な性能があるのだろうか?

スノーデンに関しては、そんなの当たり前な世界の人な筈だけど、どんな得失で公開に走ったんだろう?
まぁ本を読めって話だけど、紹介文を読む限り“国家ではなく組織の利益のために動いてたのを告発“って辺りなんだろうか。でもそれだとメルケルの話は関係無い気がするなぁ。

> 先に発砲してきたから応戦したのだと発表したのであったが、後になってそれはウソで、先に米軍が徴発したものであった
>
事実関係は調べてないけど、ここに書かれている通りだったら、先に発砲したこと自体に嘘はなさそうだけど。
規模はだいぶ違うけど、二次大戦の対日参戦も同じ構図よね。
#対独はどういう経緯で参戦したんだったんだっけか…

(2020年02月22日 07時59分56秒)

 命がけかなぁ?   ナナシィ1190 さん
スノーデンに関してはリベラルを自称する割には、暴露した場所が香港で亡命先がロシアという時点で「お前本当にリベラルのつもりなの?」という感じだけど……ちなみにこの人がアメリカのシステムを調べようと思ったのは「中国が十数億の国民を完全な監視下に置いている事に感銘を受けたので、アメリカにも似たようなものがあるのではと思った」からだそうな。
 
 とりあえず、ロシアや中国と違って軽率にヒットマンの類を送り込んでこない安全牌で、世界中に嫌いな人間がいて敵に回せば彼らがいくらでも喝采し投げ銭をしてくれるアメリカを敵に選んでるあたりは頭がいいとは思う。


wolfさん
>#対独はどういう経緯で参戦したんだったんだっけか…

 対日開戦と同時にドイツとイタリアから対米宣戦布告したからですね。正式には日独伊三国同盟には日本側からの開戦に基づく参戦義務はなかったんですけど。

(2020年02月22日 11時01分14秒)

 Re:命懸けの告発 正統性説く(22日の日記)(02/22)   maki5417 さん
スノーデン事件は、みんなうすうす感じていたことが、白日の下にさらされた事件でした。

最近は、こんな事件が興味を引きました。

CIA、暗号装置の会社所有か 他国の秘密を大量収集?
https://www.asahi.com/articles/ASN2D638WN2DUHBI010.html


暗号無力化のために、各国とも量子コンピューターの開発に必死ですね。


自分が奉仕を誓ったのは「ある機関に対してではなく、政府に対してですらなく、国民に対して」

忖度官僚とは対極です。
もちろん安倍礼賛のネット右翼とも。
それにしても、コロナウィルスの検査までもが忖度とはひどいものです。 (2020年02月24日 16時56分28秒)

 今更の疑問なんだが、何を根拠に認定してるんだろう?   wolf さん
犯罪者にしろ佐原サンにしろ、ここでコメント書いている人の大部分に対して、安倍礼讃なり安倍シンパ、あるいは右翼(ネット右翼も含む)と評価してるけど、「同調者以外は敵。右翼に違いない」以上の根拠ってあるんだろうか?

正直その辺にカテゴライズされる人は誰も居ないと思うんだけど…最大限に偏ってるひとでも、アカとバカを同じカテゴリに置いてるかどうかくらいで、主体はバカがダメって層ではないかな。少なくとも安倍個人を推してる人なんか皆無でしょ。

まぁ革マルあたりを“真っ当だ”と評価する極左から見れば、中道左寄りでも大分右に寄っているように見えるんだろうけど、概ね観測者の問題よね。

(2020年02月24日 18時14分41秒)

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