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2020年10月24日
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テーマ:本日の1冊(3237)
カテゴリ:読書
斎藤美奈子著「忖度しません」(筑摩書房)について、フリーライターの武田砂鉄氏が9日の「週刊金曜日」に、次のような書評を書いている;


 安倍晋三前首相が辞めてから、彼が首相を務めていた時代の悪事や疑惑が丸ごとなかったことになろうとしている。メディアが率先してそこに加勢する。菅義偉(すがよしひで)首相がパンケーキ好きだと伝えるよりも、「桜を見る会」の前夜祭の領収書はどうなったのかを問うほうが、重要なはず。でも、しない。



 ひとつのテーマについて3冊を読み解く本書は、忘却を許さない。布団をかぶって寝ていれば追及が止むと思っている連中の布団をはがす。力の限りに政権を擁護する御用ジャーナリストを突き、同時に、「経済政策がダメで、憲法解釈もテキトーで、脳内はバーチャルな観念世界」の左派リベラルの危うさを問う。

 日本人が劣化しただとか若者の意識が低いだとか、「自分はぜったい正しくて、自分以外はみんなバカ」という態度に酔うだけではいけない、とする。

 沖縄基地問題はどうなった、北朝鮮拉致(らち)問題はなぜ動かない、歴史修正主義はどのようにして生まれるのか、なぜセクハラと性暴力に対して鈍感なのか。あらゆる問いかけに通底するのは、掘り返す姿勢。布団をかぶっていた連中は、起きてくると、動揺を隠しながら「まだ言ってんの、そんなこと」などと嘲笑(ちょうしょう)し始める。そこに向けて、再び問う。この姿勢は、今のメディアに欠けていることだ。

 いい加減、変えたい。


2020年10月9日 「週刊金曜日」 1299号 53ページ 「本-通底するのは 掘り返す姿勢」から引用

 新しく首相に就任した本人が「安倍政治を継承する」と宣言しているのに、あたかも首相が代われば政治も刷新されるかのような、メディア各社の報道姿勢には、私も大いに疑問を感じます。また、報道の問題としては、政府や大企業の発表をそのまま右から左に伝えるだけで、発表内容が事実や実際の環境に照らしてどうなのかという「評価」が一切ないという点も、昔ながらの「大本営発表」報道から脱皮できていない印ではないかと思います。そういうメディア状況の中で、うやむやにしてはならない問題を掘り起こす「忖度しません」は、一読の価値があると言えます。






最終更新日  2020年10月24日 01時00分05秒
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