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2022年03月30日
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テーマ:ニュース(99444)
カテゴリ:ニュース
ロシア軍がウクライナに侵攻した問題について、法政大学名誉教授で前総長の田中優子氏は6日の東京新聞コラムに、次のように書いている;


 アフリカの地図を見た時、国境が至る所で直線になっていることに心を痛める人は多いだろう。理由がわかっているからだ。

 2月21日の国連安全保障理事会におけるケニアのキマニ国連大使のスピーチが話題になっている。アフリカは植民地化され、民族や言語に関係なく勝手に国境を引かれてきた。「いまでも、アフリカのすべての国の国境の向こうに、歴史的、文化的、言語的に深く結ばれている同胞が暮らしている」と、キマニ氏は語った。しかし「民族や人種、宗教の同質性による国家を追求していれば、何十年も戦争を続けることになっていただろう」と。アフリカ人が国連のルールに従うことを選択したのは、もちろん、国境に満足しているからではなかった。「より偉大な何か」つまり平和を希求していたからだ。キマニ氏は最後に、同胞と一緒になりたいと思わない人はいないが、「そうした願望を力によって追い求めることを、ケニアは拒否する」と毅然として述べたという。人はこうありたい。人間としての格と、先進国か途上国かは関係がない。

      ◇◆◇

 他方でロシアのネベンジヤ国連大使は、「われわれはウクライナやウクライナの国民と戦争を行っているのではなく、東部の国民を守るために特別な作戦を行っている」と言った。もしこれが本当なら、戦争の前にやるべきことがあった。中立的な調査団をつくって徹底的に調査し、そのような事実があれば国際的な問題にしていくことだ。虐殺は、国際的な協力体制がなければ止めることはできない。なぜそうしなかったのか? 戦争を仕掛ける側は常に「防衛」を言う。自国を守るため、同胞を守るため、と。ロシアは本気で虐殺を止めようとしたのか? それとも戦争の口実に使うために放置したのか?

 今度はアフリカの地図ではなくロシアの地図を見てみよう。世界一巨大な国だ。世界総陸地の約11・5%を占める。アメリカ合衆国も中国もそれぞれ約6・5%であるから、ロシアは2つを合わせた面積に迫る。資源も豊かだ。地球温暖化が進めば有効活用できる陸地は格段と増えるだろう。希望のもてる地域だ。そんな国が、小さな隣国が欧州連合(EU)に帰属するのを恐れてソビエト連邦時代に戻ろうとするその行動を見ると、かつての帝国主義の亡霊を見るようでもあり、新自由主義的な際限のない欲望を見るようでもあり、非現実的な恐怖におびえているようにも見える。

      ◇◆◇

 国連憲章第2条には「領土保全」や「政治的独立」に対して、「武力による威嚇または武力の行使」を「自制すべきだ」とある。これを破ればむろん国連憲章違反となる。それだけではない。今、世界は多様性の容認と、多様な価値観が協力し合う包摂とに向かっている。その理由は地球温暖化の脅威だ。SDGsの17の目標設定を実現不可能だと冷笑する知識人がいるが、持続可能な発展を実現する極めて具体的な指針である。「持続可能」とは、環境問題の解決だけではない。貧困や女性差別をなくすこと、教育の普及、戦争を起こさないことを含む。ただしそれは達成するための「方法」を示しているわけではない。方法はそれぞれが自分の立っている場所で考え実践するしかない。

 国連憲章を無視する人やSDGsを冷笑する人たちは、直線の国境に耐えている人々に学ぶべきだ。


2022年3月6日 東京新聞朝刊 11版 5ページ 「時代を読む-直線の国境」から引用

 この記事で田中氏はロシア国連大使の「われわれはウクライナやウクライナの国民と戦争を行っているのではなく、東部の国民を守るために特別な作戦を行っている」という発言を引用して、「もし東部の国民を(虐殺から)守る必要がある」という発言が本当なら、その虐殺事件を調査するのが先だったはずだと言っているが、それは何か勘違いしているのではないかと思います。ロシア国連大使の発言が意図したのは「ウクライナがNATOに加盟すれば、ロシア東部の国民の命が脅かされる」と解釈するべきではないかと思います。
 また、このエッセイではロシアがアメリカや中国の倍の面積を持ち、地下資源にも恵まれて、黙っていても豊かな生活が出来る国だ、みたいな論調ですが、その恵まれた地下資源と豊かな生活環境の収奪を狙ってアメリカとヨーロッパ諸国がNATO包囲網を次第に縮めてロシアを追い込んでいるのですから、そういう状況にロシア指導部が危機感を募らせるのは自然なことと思います。したがって、この紛争を解決するには、ロシアとウクライナの他にアメリカとEUを加えた会議を開いて、アメリカとEUがロシアに対し「今後はロシア敵視政策を止める」と約束する必要があると思います。





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最終更新日  2022年03月30日 07時52分53秒


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