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2025年09月21日
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テーマ:ニュース(95816)
カテゴリ:ニュース
今年の参議院選挙で、参政党がいきなり「移民規制」を吹聴して支持票を集めた現象について、社会学者の樋口直人氏は4日の朝日新聞で、次のように述べている:


 排外主義とは、外国から来る人やものを自国にとっての脅威であるとみなす考え方のことです。

 参政党の政策に排外主義との批判が出ている問題をどう見るか、ですか? 神谷宗幣代表は否定していますが、参政党の主張は、研究で使われるいかなる定義に照らしても排外主義としか言いようがありません。

 参政党のホームページで政策を見ると、「日本国内への外国からの静かなる浸透(サイレント・インベージョン)を止める」との目標を掲げたうえで、「外国人の受入れ数に制限をかける」「帰化及び永住権の要件の厳格化」などの施策を列挙しています。

 反移民の性格を明確に打ち出した、排外主義という言葉のあてはまる政治勢力が日本に現れ、選挙戦でそれを主要な争点として掲げながら存在感を示した。日本では初めてのことだと言っていいと思います。

 中でも「外国文化や価値観の強要を禁ずる」という参政党の政策には、欧州の極右のレトリックに似てきたという意味での「先進性」がうかがえます。ポイントは、日本の外国人政策議論に「防衛」という発想が持ち込まれたことです。

 これまでの日本の外国人政策は、権利を認めず放置しておけば結果として日本国籍への同化が進むだろうと期待する「放置」志向の保守と、「共生」志向のリベラルの二本柱が基本でした。そこへ参政党が「防衛」を持ち込んだ形です。

 侵略や侵入の意味も持つインベージョンという言葉まで掲げながら、この脅威に対応しなければ社会を防衛できないと訴えている。欧州の極右政党の間で広がった脅威のレトリックを、日本でも公の政党が体系的政策として整理するに至った。予想より早く時計の針が進んだ感があります。

 排外主義が広がる背景には人々の生きづらさや閉塞(へいそく)感があるという議論には注意が必要です。欧州各国で極右への支持がいつ伸びたかを調べた大規模な実証調査では、伸びたのは経済的な不況時ではなかったなどとする結果も出ているからです。ネットへの接触度合いの違いが支持に影響していないかどうかなども含め、幅広く調査を積み重ねていくべきです。

 日本ではまだ、市民の反移民感情が他国より高いわけではありません。「まだ本格的に始まっていない」段階での排外主義の台頭を、今後に向けた練習の機会にしていく。そんな意識で取り組むべきでしょう。
(聞き手 編集委員・塩倉裕)

    *

<ひぐち・なおと> 1969年生まれ。早稲田大学教授。専門は移民研究。日本や欧州などでの排外主義の問題に詳しい。著書に「日本型排外主義」など。


2025年9月4日 朝日新聞朝刊 13版S 11ページ 「耕論・排外主義を考える」から「持ち込まれた防衛の発想」を引用

 この記事は、いかにも学者らしい重要なポイントを指摘してくれていると思います。西欧ではかなりのパーセントで移民が実際に流入した結果、社会に「反移民」感情が高まったという事実があるのに、日本ではまだほんの数パーセントで人々の「反移民」感情を刺激するような事態になってはいないのに、参政党が「移民のせいで日本人が不利になってる」とか「移民のせいで治安が悪化してる」などとデマを流すと、安易に同調する層がかなりの数、存在しており、これは大きな問題であると考えざるを得ません。外国人排斥を目的としたヘイトスピーチやヘイトデモを禁止する条例を制定し、行政が市民を啓蒙する努力を怠るべきではないし、国籍に関わらず誰もが安心して暮らせる社会の構築を目指すべきだと思います。





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最終更新日  2025年09月21日 18時42分49秒


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