通常国会の冒頭で、自分の裏金問題や統一協会との不適切な関係を追求されることを避けるために衆議院を解散した高市内閣について、1月24日の東京新聞は、その問題点を次のように報道している;
23日の通常国会の冒頭で、衆院が解散された。突如決まった今回の衆院選に大義はあるのか。高市早苗首相は、故・安倍晋三元首相の政策路線を引き継ぎ、よりいっそう保守色を強めているように映る。賛否両論が渦巻く中で行われた安倍元首相の国葬は憲法違反だとして、国家賠償請求訴訟に関わる大学教授らに聞いた。
(太田理英子、松島京太)
「昨年10月開会時 解散するのが筋」
日本体育大の清水雅彦教授(憲法学)は「政権の信任を問題にするなら、昨年10月の臨時国会開会時に解散するのが筋だ。本来、議院内閣制下で、行政の長が国民を代表する国会議員の任期を短期間のうちに失わせるのは、憲法上も政治的にも問題だ」と断じる。
昨年10月の党総裁選出時の演説では「働いて働いて働いて働いて働いて、まいります」と宣言し、物価高対策をはじめとした「経済最優先」を掲げてきた。だが、冒頭解散をしたことで、2026年度予算案の審議が遅れ、25年度内の成立は困難な見通しだ。清水氏は「内閣支持率が高いうちに政権基盤を安定化させようという自己中心的な解散。国民生活より、国家中心の考えだ」と批判する。
かつて、中曽根康弘元首相は「サッチャー英首相のような『大統領的首相』になって力強く政策を推進したい」と主張。その後、安倍元首相も、中曽根政権でできた「安全保障会議」を「国家安全保障会議(日本版NSC)」に格上げするなど、官邸主導路線を取ってきた。
その安倍氏を政治の師として仰ぐ高市氏は今月19日の記者会見で、今回の衆院選を「高市早苗に国家経営を託していただけるか、国民の皆さまに直接ご判断をいただきたい」と強調。清水氏は「自民党が過半数を占めることがあれば、政権が国会に配慮せずやりたいことをやって独走する可能性がある」と警鐘を鳴らす。
有権者にとっては物価高対策への関心と期待が高いとみられるが、衆院選で注目すべき論点はそれだけではない。
大西広・慶応大名誉教授(経済学)は、高市氏が台湾有事について集団的自衛権行使が可能な「存立危機事態」になりうるとした答弁を巡り、日中関係悪化を招いた影響を問題視。「そもそも、国家間の関係を安定させるのが首相の役割だが、逆行している」と非難する。中国側はレアアース(希土類)やレアメタル(希少金属)の対日輸出の規制に乗り出しており、「中国はレアアースの精錬で世界シェアの約9割を占め、日本の製造業への打撃は大きい」と、経済界の混乱を深刻に受けとめる。
自身は、安倍氏の国葬を巡る国家賠償請求訴訟の原告に名を連ねる。当時の岸田文雄首相が、安倍氏を支持する岩盤保守層へのアピールや政権の基盤強化に国葬を利用したとし、「首相としての責任より都合を優先している点で高市氏は同じ」と切り捨てる。
安全保障の問題も深刻だ。自民党は安保関連3文書の前倒し改訂に向け、防衛費のさらなる増額や、非核三原則の見直し、殺傷兵器の輸出拡大の議論を進める構えだ。高市氏は会見で、政権が進める政策を「決して右傾化などではなく、『普通の国になるだけ』と強調したが、先の清水氏は「『戦争する国』に着実に向かっている。国民より国家や企業、福祉・教育より軍事・公共事業が優先される政治でいいのか、有権者は考えるべきだ」と訴える。
2026年1月24日 東京新聞朝刊 11版 20ページ 「こちら特報部-重要政策転換、強行突破再び?」から引用
高市氏自身が企業献金を受領している問題や統一協会との深い繋がりが報道されている問題などの追及を抑え込む目的で衆議院を解散したにも関わらず、選挙戦でそのことを批判する演説をする野党議員の様子を見て、「一方的に高市さんを批判してばかりでは、高市さんが可哀相だ」というのが普通の有権者の「反応」だったとのことで、違法な企業献金を受け取って黙り込んでいるような人物が総理大臣に相応しいのか、というような「問題意識」が皆無であるというのが、この国の有権者の一般的な認識のようで、高市氏を始めとする自民党の議員は、国民の政治に関する認識はその程度なのだということを熟知しているものだから、高市氏なども「文春砲」や「赤旗」が何を書こうと、弱音を吐かずにしらばっくれていればいいのだ、と腹をくくっているのが現実のようです。有権者がこういうレベルになってしまえば、後は右翼政治家のやりたい放題で、軍需産業に赤字国債を発行して出来た「カネ」をつぎ込んで軍備を増強し、何かきっかけがあればすぐに武力に訴えるとい「戦前の日本」が復活する準備が着々と進むことになるのだと思います。この国は、明らかに間違った道に進みつつあります。