昨年の市長選挙で勝利したゾーラン・マムダニ氏が担当するニューヨーク市政がいよいよスタートし、多くの市民が期待を寄せている様子を、1月25日の「しんぶん赤旗」日曜版は、次のように報道している;
米国最大の都市ニューヨークで1日、民主党進歩派で民主的社会主義を掲げるゾーラン・マムダニ氏(34)が市長に就任しました。氷点下の寒さのなか市庁舍で行われた就任式には多くの市民が集まりました。マムダニ氏は就任後、「生活できるニューヨーク」をつくる公約の実現へ動き出しています。
(ニューヨークで柴田菜央記者)
イスラム教徒として初のニューヨーク市長となったマムダニ氏。1日未明、現在は使われていない地下鉄の市庁舎駅で、家族らの同席のもと、イスラム教の聖典コーランを使って就任宣誓しました。その後、市庁舎で市民を迎えて行った就任式では、同じく民主的社会主義を掲げるサンダース連邦上院議員の立ち会いで改めて宣誓しました。
マムダニ氏は演説で「今日から新しい時代が始まる」「市民の暮らしを良くするために力を使うことをためらわない」と訴えました。過去のニューヨーク市政は「難なく権力者の歓心を買うことのできる富裕層やコネのある人たちだけのものになっていた」と批判。新市政は「民主主義を買収できると思い込む億万長者や一握りの権力者ではなく、すべての市民に応える」と語りました。
また「私は民主的社会主義者として選ばれた。民主的社会主義者として市政を担う」と表明。ごく一部の富裕層や大企業への課税で財源を生み出し、物価高や家賃高騰などの対策に取り組む意欲を示しました。
◆「政治に希望」
市庁舎前の広場は「新たな時代」に期待を寄せる市民であふれました。
マムダニ氏の就任に「初めて政治に希望を感じた」と話すクイーンズ区在住のサキナさん(23)。昨年春に大学を卒業したばかりです。アパートで1人暮らしをするつもりでしたが、そうすると家賃が給料の半分以上を占めるため、両親と暮らしています。住宅を含め「手頃な価格(アフォーダブル)」を掲げるマムダニ氏の政策に期待しています。
マムダニ氏が財源として掲げる富裕層への課税についてサキナさんは「すごく期待している」「応分の負担をすべきだ」と強調。「資本主義はいつでも、上位1%の人たちをもっと裕福にするために『より低い』地位の労働者を搾取してきた。システムが崩壊している」と語りました。
「これまでの政治家とは違い、マムダニ氏は私たち労働者の最高の代表者だ」。就任式後に市庁舎前を通りかかったフォトグラファーのサンティアゴ・バネガスさん(25)は、こう話します。
マムダニ氏はイスラエルによるガザ侵略をジェノサイド(集団殺害)だと批判。国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている「イスラエルのネタニヤフ首相がニューヨークを訪れたら、ICCの逮捕状請求に従い同氏を逮捕する」と述べています。
バネガスさんはこの点も支持。「今まで誰も、こういうことは言わなかった。米国は明らかにジェノサイドの共犯者で、私たちの税金が(軍事支援に)使われている」と憤りました。
集まった市民のなかには、パレスチナ連帯の象徴となったアラブの伝統頭巾クーフィーヤをまとう人が多数いました。
マムダニ氏は就任後、直ちに公約実現へ動き出し、
就任1週間で▽住宅▽消費者保護▽市民の市政参加-などで12の市長令を出しました(表)。8日には「今秋から2歳児の保育無償化を開始する」と表明しました。

トランプ政権が3日に南米ベネズエラを攻撃するとトランプ大統領に直接電話。他国の政権転覆の追求や国際法違反の行爲に反対する立場を伝えました。
マムダニ氏も所属する政治団体「米国民主的社会主義者」(DSA)は公式ウェブサイトで、資本主義について、「所有階級によって、自らの利益を求めて自分たち以外の者を搾取するために設計された制度」だと批判。資本主義を「普通の人々が職場、地域、社会で本当に声をあげることのできる」民主的社会主義に置き換えようと訴えています。
2026年1月25日 「しんぶん赤旗」 日曜版 11ページ 「生活できるNYへ始動-マムダニ市長就任」から引用
過去のニューヨーク市政は、極一部の富裕層や権力者にコネがある者だけが優遇される偏った政治で、一般市民は暮らしにくい環境だったが、これからは民主的社会主義を奉ずる人物が市政を担い、富裕層に応分の税負担を負わせて、すべての市民が快適な行政サービスを受けられる社会になるわけで、そのような「変革」に期待する市民の明るい「希望」が伝わるような、良い記事だと思いました。マムダニ氏が当選した直後には、富裕層がニューヨーク市から逃げ出すだろうというような「デマ」も流れた時期がありましたが、おそらく、トランプ級の「富裕層」の一部にはそういう反応をした者もいたかも知れませんが、ニューヨーク市には風光明媚な場所に広大な豪邸を構える富裕層にしてみれば、大して高くもない税金を払ったところでビクともしない大富豪ですから、今さら引っ越しなどするほどのことでもない、といったところだと思います。一部の富裕層だけが豊かに暮らし、一般労働者層は厳しい生活を余儀なくさせられるというのは、日本にも共通の問題ですが、日本人の場合は政治に対する意識がまだまだ未熟で、「課税は富める者に」という要求をしても良いのだという点が、なかなか理解されずに「低い収入の割に高い消費税」という「矛盾」を解決できずにいるのは残念なことです。