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2026年04月11日
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テーマ:ニュース(96561)
カテゴリ:ニュース
新年度の予算編成期という貴重な時間をつぶして、さしたる争点もないのに衆議院を解散した高市政権は「たなぼた」式に獲得した戦後最多の議席数にものを言わせて、記録的短時間で政府案の衆議院通過を実現し、あわよくば年度内成立を目指す姿勢を見せていることについて、神奈川大学教授の大川千尋氏は、3月22日付神奈川新聞に、次のように書いている;


 戦後最短の短期決戦で自民党が圧勝した衆院選後の特別国会が、前半のヤマ場を迎えている。高市早苗首相は来年度当初予算案の年度内成立にこだわり、与党は衆院の審議時間を大幅に短縮、論戦の場は参院に移った。「数の力」を推進力とする政治に、どう向き合うか。神奈川大の大川千寿教授(政治過程論)に解散総選挙や国会運営、有権者の持つべき視点について聞いた。
(構成・竹内瑠梨)


■ぼやけた争点

 高市首相は高い支持率を背景に、衆院議員任期の3分の2を残して解散総選挙に踏み切り、野党側は慌てて中道改革連合を結成した。争点がぼやけた中、有権者にはプロセスが見えず、政策評価よりも「高市首相に任せてみよう」という形になったのではないか。

 首相に関する投稿や動画が数多く発信され、イメージや印象が選挙戦で大きく左右した面もあっただろう。政治不信が強まり、国や世界の先行きが見通せない中、「期待感を持てること」を有権者がポジティブに評価した面がある。

 有権者が十分な判断材料を持ち、熟慮の上で貴重な一票を投じることは健全な民主主義に不可欠だ。しかし、今回の衆院選では、その機会が十分に与えられなかった。与党も野党も反省すべき点だろう。

 自民は神奈川や東京など31都県の小選挙区で全候補が勝利し、新人議員も多く誕生した。与党が圧倒的多数の議席を獲得した事実は重いが、数の多さだけで計れない多様な利害を調整し、社会全体の利益・結論を見いだすのが政治だ。民意をどう受け止め、政策や法案につなげていくか、より重い責任を負っている。

■審議時間短縮

 高市政権は来年度予算案の年度内成立を目指し、審議時間を短縮した。国会日程は与野党合意を基本としてきたが、衆院予算委員長は12日間の日程のうち7日間を野党の合意を得ずに職権で決め、質疑時間も昨年の92時間から59時間に減らした。首相に代わり閣僚が答弁する場面も多かった。

 これまでの与党は少数派に配慮しながら国会を運営してきた面があった。そもそも予算案の審議入りが遅れたのは、首相が衆院を解散した影響だ。一般会計が総額122兆円と過去最大となった予算案は熟議がより必要で、首相が丁寧に語ることが重要だ。圧倒的多数を得て、政治的責任がより増している中、議論を短縮させる振る舞いが、健全な民主主義という観点から妥当なのか。有権者はバランス感覚を持って注視していることを忘れてはならない。

■政治と推し活

 高支持率の高市内閣は、世論が今まで以上に政治を左右するとの見方もできる。有権者が果たすチェック機能は重要性を増している。選挙だけが政治参加の機会ではなく、日常的に政治のプロセスをチェックし、身近な人と政治を語り、考えを持つことが重要だ。

 考えたいのは「政治と推し活」だ。選挙を「推し活」と重ねる言説があるが、アイドルなどの推し活とは異なる。「推した人」の政策や政治の結果が、有権者の暮らしに直結して返ってくるからだ。

 特に若年層は目の前の生活や将来の不安が根本的な問題としてあり、政治に現実的解決策を求める価値観が強まっているのではないか。その中で野党の批判が揚げ足取りのように捉えられている風潮も感じる。だが、批判なき自由な社会はない。相手を尊重し、臆せず議論することで良い道が見えることもあり、健全な批判のあり方を有権者も政治家も改めて考えたい。

 多くの有権者の情報源となるSNS動画の収益化規制も課題だ。フェイクを含めた内容が収益目的で発信されることを防ぐ選挙期間の規制には賛成だが、大切なのは有権者が十分な判断材料を得られる環境づくりだ。選挙期間中のマスメディアの情報発信のあり方も含め、総合的に考えていく必要がある。


<おおかわ・ちひろ> 1981年生まれ。神奈川大学教授。専門は政治過程論。熊本大学特任教授などを経て現職。著書に「つながるつなげる日本政治」など。


2026年3月22日 神奈川新聞朝刊 2ページ 「衆院選後の政権運営-有権者の役割、より重く」から引用

 衆議院選挙が自民党をダントツの最大与党にする結果になった後、高市政権についてメディアは「予算の年度内成立にこだわっている」と盛んに報道していたが、あの報道は知らない者には「高市首相は国民のためを思って、予算案の年度内成立を実現したいと熱心なのだ」ととんでもない誤解を招く報道だったと思います。高市氏が年度内成立にこだわるフリをしていたのは、「高市のせいで、予算成立が年度をまたいでしまい、暫定予算のせいで中小企業はこんなに困っている」という風評が広まることを警戒して、先手を打つつもりで「予算の年度内成立」などと心にもないことを言い立てているに過ぎない、という「ポイント」をこそ、メディアは批判するべきだったと思います。それにしても、上の記事では「特に若年層は目の前の生活や将来の不安が根本的な問題としてあり、政治に現実的解決策を求める価値観が強まっているのではないか」と、大学生相手に政治過程論を講義している先生らしい見解が述べられているが、私は、目の前の生活や将来の不安を抱えて政治に現実的解決策を求める若者が、選挙に当たって「押し活」投票をするとは考えられず、むしろ、「押し活」投票をするような人たちに対して、「自分たちが抱えている問題を解決してくれるのはどの候補者か、を考えて、この人だと思った人に投票するのが『選挙』なんだよ」という「教育」をしてあげるのが、先に大人になった我々の役目なのではないかと思います。





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最終更新日  2026年04月11日 01時00分05秒
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