赤木雅子さんの法廷闘争(8日の日記)
佐川宣寿財務省理財局長(当時)から公文書の改竄を命じられてそれを実行し、後からそれを苦にしてうつ病を発症して自死した公務員の妻が、当時の上司だった佐川理財局長に損害賠償を求めた裁判の控訴審が、9月13日に即日結審したことについて、元文科事務次官で現代教育行政研究会代表の前川喜平氏が9月17日の東京新聞コラムに、次のように書いている; 赤木雅子さんが、夫の自死の原因となった森友学園関係文書の改竄(かいざん)事件の真相を求めて、厳しい法廷闘争を続けている。国に損害賠償を求めた裁判は一昨年の12月、国側の「認諾」によって証人尋問もせず終結した。 改竄を命じた佐川宣寿財務省理財局長(当時)に損害賠償を求めた裁判では昨年の11月、大阪地裁が請求棄却の判決を出した。国家公務員が職務で与えた損害に対しては国が賠償責任を負い、公務員個人は負わないという理屈だ。雅子さんは控訴したが、13日に行われた大阪高裁の第1回口頭弁論では、佐川氏や財務省職員らへの尋問を認めず即日結審した。地裁判決を支持する判決を出すのだろう。しかし、公文書改竄という犯罪行為を命じることのどこが「職務」なのだ? 佐川氏の責任を不問に付すことは正義に反する。佐川氏に命じた者も追及されなければならない。 改竄に関し財務省が大阪地検に提出した文書の開示を求めた裁判では、14日大阪地裁が請求棄却の判決を出した。この事件は誰も起訴されずに終わったのに、今後の捜査に支障があるから不開示だという国の言い分をそのまま認めた。裁判官の「良心」が疑われるひどい判決だ。判決を聞いた雅子さんは椅子から崩れ落ちたという。 雅子さん頑張れ! 僕は雅子さんの戦いをどこまでも応援する。(現代教育行政研究会代表)2023年9月17日 東京新聞朝刊 11版 17ページ 「本音のコラム-赤木雅子さんの法廷闘争」から引用 この記事が示すように、森友事件については赤木氏側が要求する証人喚問は徹底的に妨害して只の一人も法廷で発言することを許さないという方針が裁判所の姿勢である。公文書の改竄という「犯罪行為」を命令するのが財務省理財局長の「仕事」の一つだというのであれば、財務省理財局は時に応じては「犯罪行為」も実行することがある組織なのか、という「疑問」が出てくる。そう言えば、衆議院事務局の調査によれば、安倍晋三氏が総理大臣として野党の質問に答えた「答弁」には、100回を越える「虚偽答弁」があったことが報道されているが、そういう人物が死んだからと言ってこれを「国葬」をするという、実におかしな理屈がまかり通る国になってしまっている。このような「異常な事態」は、やがていつか「正常化」される時が来ると思います。