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カテゴリ:徒然~つれづれ~
たまには太陽系第三惑星の政治問題も、ヒッチハイクガイドの記事に載せなくちゃ
プーチンロシア大統領が歯舞、色丹の2島返還で領土問題を決着するよう表明した。 日本政府は4島返還の基本方針を変えず、国内世論も2島返還決着を認めないだろう。 私自身はというと、さまざまな取材から「2島返還で決着すべし。」と考えている。 こう考えるようになったのは、大学のゼミのディベートで「北方領土問題」を扱ってからである。 それまでは、まあ世論のとおり、「南千島は日本のものだ」と思っていた。 私は、ディベートの準備のため図書館に篭り、1955年~1956年の新聞記事にすべて目を通した。 当時の首相・外相が何度もモスクワに行き、平和条約締結にむけ交渉していた経緯を読み驚いたのだが、日本は決して、北方4島にこだわっていなかったのだ。 そして、最後の最後に歯舞、色丹を日本領土にし、他の千島列島をソ連の領土にすることで決着した。そして日ソ平和条約を結ぶことが合意された。 ところが、ところが、 ここで横やりが入る。 アメリカだ。 アイゼンハワー大統領、ジョン・ダレス国務長官、アレン・ダレスCIA長官という冷戦構造を築き上げたトリオの元、ソ連封じ込めに躍起になっていた米国は、日本がソ連に近づくことを恐れていた。 もちろん当時の日本がソ連陣営に入ることはなかったろうが、中立政策だの自主外交だのを日本がおこなうことは黙ってみているわけにはいかない。 もともと、サンフランシスコ平和条約にあたり、日本に千島列島を「放棄」させておきながら、帰属先を決めなかったのはダレス国務長官である。そのためソ連のグロムイコ外相は怒って帰ってしまった。 彼がわざと日本とソ連の間に「争いのタネ」をまいていたのは明白だ。 そして、日ソ平和条約の合意直前、ダレス国務長官から連絡が入る、。 「日本が千島列島をソ連に引き渡すならば、米国も沖縄を返還しない。」 (沖縄はまだ米国の占領下で、返還は1972年) 日本はここで平和条約締結をあきらめ、「共同宣言」という形で戦争状態の終結を図った。 日ソ共同宣言には、領土条項で「ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。 」と記載された。 その後もダレス長官は、弟のアレン・ダレスCIA長官とともにアメリカの政権を支配する。 CIAはグアテマラクーデター(このクーデターはアレン・ダレスが役員だったフルーツ会社の権益を守るために行われた)コンゴ動乱・キューバ、ベトナムなど(これらはケネディ政権に引きつがれる)世界各地で秘密計画を行う。 アイゼンハワー大統領は退任の際、「今アメリカでは恐ろしい悪魔が支配しようとしている。国民は、軍産複合体(Military Industrial Complex )にたいする監視を怠ってはならない。」と演説した。 ケネディはピッグス湾の陰謀後、アレン・ダレスらCIAと対立し、またキューバ危機を経て、ベトナム撤退を表明する。 そして、アレン・ダレスCIA長官、腹心のカベル副長官を解任。 1963年11月ダラス市で遊説中ケネディ大統領暗殺 ケネディ暗殺に陰謀はなかったと結論づけた調査委員会(ウォーレン委員会)の中心メンバーは、アレン・ダレスである。 もちろんケネディ暗殺にダレスやCIAがかかわった証拠はない。 ただ解任されたカベル副長官の弟が当時ダラス市長をしており、カベル市長の指示でオズワルドが潜んでいたビルの真下を通るように遊説コースが変更された事実と、 CIAが仕組んだ「トンキン湾事件」でアメリカがベトナムの泥沼にのめりこんでいった現実があるだけだ。 ベトナムではアメリカの若者5万人の命と引き換えに、新たな兵器が開発され、使用された。兵器メーカー・および関連会社の収益をここで計算する気にはならない。 ブッシュは洲兵で、合衆国軍隊に徴兵されることはなかったから、この5万人の中にはいることは無論なかった。 アメリカはブッシュが2期目も接戦を勝利し、ますますイラクへのプレゼンスを高めるだろう。 ブッシュが政権をとることができ、また再選することができたのは、以前は民主党の牙城だったフロリダ州を、大統領の弟のジェブ・ブッシュ州知事就任以降、わずかながら抑えることができたからである。 フロリダ州の電子投票機に「ブッシュ票が多すぎる」との疑惑 小泉政権は、イラクをはじめとする外交問題では、アメリカ追随をやめようとはしない。たとえ大量破壊兵器がなかろうと、サマワが従軍記者すら入れない「非戦闘地域」だろうと。 そしていまだ(おそらく将来も)ロシアとの間に平和条約は締結されず北方領土はロシアの占領下でありつづける。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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