名護市長選の結果
沖縄・名護市の市長選で、普天間基飛行場の県内移設に反対する稲嶺氏が当選されました。普天間飛行場の移設に関して、辺野古沖への移設や沖縄県外・日本国外への移設の是非に関しては論じるつもりはありません。ただ、この問題で昨夏に民主党が政権を獲得した後、よくわからないのがマスコミ各社の論調です。最も目立つ論調としては、「アメリカとの国家間での約束は守るべきだ」との論調です。しかし返す刀では、「沖縄の民意を尊重」とも掲げます。その是非はともかく、「沖縄の民意」というものは基本的には「迷惑施設」である米軍基地は、どっかに行ってしまえ、というものだと思います。つまり、マスコミは、片や国家間の合意(=辺野古沖移設)を主張しながら、片方では沖縄県外への移設を主張しているということになります。別に、マスコミが物事を決めるわけではないのですから、どのような論調を掲げても構わないと思いますし、それに責任が問われるわけでもないのでしょう。ですが、「マスコミが物事を決めるわけではない」と言いつつも、世論を誘導しているのは事実ですし、是非はともかくとして、マスコミと称される方々の目的というか仕事は、己の主張を是として世論を味方につける、もっと言えば世論を形成したいと考えているのが本心なのではないのでしょうか。そのようなマスコミに踊らされる方が悪いとも言えますが、情報が垂れ流される現実社会としては、踊ることを止めさせることは、事実上不可能です。今回の選挙結果を受けて、恐らくはマスコミの論調は「沖縄の民意は示されたのだから、辺野古沖移転は 撤回せよ」ということを主として、その後背に「国家間の約束は・・・」だとか「日米間に緊張」などと、これまでと前後を逆にした論調を展開することになるのだと思います。それらの無責任な主張に振り回され、挙句「迷走」だとか「閣内不一致」などと批判を受ける鳩山政権は気の毒なように思えてなりません。