ママの手をにぎって

ありがとう^^

お母さんにとっては、子供は本当に大切で、いとおしい存在です。
小さくてこわれそうな、まぶしいほどの生まれたばかりのあなた。
そのあなたをはじめて胸に抱いたとき、お母さんは、おだやかで、
うっとりするような幸せにつつまれたことでしょう。

「あなたのそばに いるだけでいれしいな
あなたの 笑顔を 見ると しあわせだな」

これがお母さんの心の底にある、あなたへの思いです。

夜中、こどもの寝顔を見ると、ふっと赤ちゃんのころが思い出され、
涙がぽろりと落ちてしまいます。

あなたの存在そのものが、お母さんにとっては、生きる力です。
もちろんあなたは日々、そうしたことを感じる必要は、まったくありません。

あなた自身で決めた方向に自由にはばたいて、
お母さんのもとから飛び立っていけばいいのです。

でも、もしあなたが苦しくて、悲しくて、生きづらさを感じたら・・・
落ち込んで自分自身が嫌になってしまったら・・・
さびしくて、ひとりぼっちに耐えられなくなったら・・・
この本を開いてください。

作者 あとがき より 


ふたば
ママの手をにぎって
ふたば

だいじょうぶ 
ママの手を にぎって

ね、あたたかいでしょ 
もう こわくない

こころが
きりきり 痛くなったら・・・

ママの手を にぎって


あなたの きもちが 
ながれてくる

水色の なみだも
ながれてくる


うまく 生きられなくて 
あちこちに ぶつかって 

こころが きずだらけ

痛かったね
かなしかったね
くるしかったよね

見えないもののほうが 
ほんとうは 
ずっと 大切なのに

見えないものが
信じられなくて

人の こころも 
自分の こころも 
信じられなくて・・・

ひとりぼっちになるのが 
こわいから
みんな 悪口いったり 
きずつけたり 
うそをつくの

おとなも 見えないものが 
信じられなくて

ダイヤモンドが 
ほしくなる

つよく えらくなった 
きもちに なるもの

でもね
ひとつ もっと

ふたつ ほしくなって


ふたつ もっと
みっつ ほしくなって・・・

もっと もっと ほしくなる

いっぱい もっても
こころは ひんやり 
つめたいまま


ぽっかりと 穴があいたまま


ほんとうの ダイヤモンドは
見えないの

あたたかくて やさしい
あなたの こころの なかにある

きずついて 
きずついて

くるしくて 
くるしくて

こわれそうになって

こころのドアに 
かぎをかけたのね

大きく 息を 
すって

ゆっくり ゆっくり 
はいて


ほらね・・・


あなたの こころ

春の おひさまみたいに
ほかほか あたたかい

たんぽぽの わたげみたいに
ふわふわ やわらか

あまい いちごの 
香りもする

あなたの そばに 
いるだけで 
うれしいな

あなたの 笑顔を 
見ると 
しあわせだな

すこしだけ

こころのドアを開いて・・・

だいじょうぶ
こわくない

みんな あなたと おなじ

ひとりで かかえきれない 
おもいに
つぶされそうなの


もう がんばらなくても 
いいの

くるしくなったら 
「たすけて」って 手をのばして

みんな あなたの手を 
しっかりと にぎってくれる

だれも ひとりでは 
生きられないもの

あなたは いつでも すてき

生まれたままの あなたが
だいすき

無理しないでね

ゆっくり ゆっくり


ママの手をにぎって

あなたの手
とても あたたかい


あまり はやく 歩かないで


ほかの 人より 先に
ゴールに ついても
見えないものが いっぱい あるから

空を およぐ 白いくもが
あなたと
おしゃべりしたいって

お月さまが
いっしょに歩こうねって

いっている

はっぱの 上の
かたつむりが 
ずっと あなたを
見つめている

みんな あなたが 

だいすき

だいじょうぶ
もう こわくない

かなしくなったら エンエン ないて
頭に きたら プンプン おこって
うれしくなったら ニコニコ わらって

ママの手を にぎって

ほらね 
あなたの手 
とっても あたたかい


Qようの学校の全児童数は何人でしょう?

わだことみ 作
大井淳子 絵
岩崎書店





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