カテゴリ:【如水・壺公慷慨】
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入管法改正案の最大の問題は「事実上の移民政策であること」ではなく、政府がそれを認めないことだ =後節= = NewsWeek_Column_2018年11月06日、 塗り替わる世界秩序 六辻彰二 「移民政策ではない」ことの問題 しかし、今回の入管法改正の最大の問題は、日本政府がこれを「移民政策ではない」と抗弁するところにある。タテマエで実態を覆い隠し、国民に移民に関する理解や覚悟を持たせないことが、後世に禍根を残しかねないからである。 移民受け入れに関しては、一般的に以下の各点がよく問題視されやすい。 ・治安の悪化 / ・雇用の奪い合い / ・財政負担 / ・文化摩擦 ただし、これらのなかには、誤解や誇張もある。治安に関して述べると、欧米諸国での多くの統計的調査は「移民の増加で治安が悪化した」という説に疑問を呈している。 例えば、イギリス警察によると、2017年度に「反社会的行為を行った」白人が3万977人だったのに対して、ハーフを含む移民系のそれは3647人で、全体の約10パーセントだった。これに対して、OECDの統計によると、イギリスの定住外国人の人口(2014)は515万4000人で、全人口(6365万人)の8パーセントだった。つまり、移民の犯罪率はやや高いものの、白人と大差ないレベルにとどまっている。 低所得層の移民は確かに固まって暮らすことが多く、結果的に犯罪多発地域(つまり地価の安い土地)に移民が集中しやすくなる。ただし、それは所得水準や偏見などに促されるもので、「外国人が増えたら犯罪が起こりやすくなる」というのは乱暴な言い方である。 また、「雇用の奪い合い」もよくいわれるが、そもそも先進国の人間が単純労働をやりたがらないなか、外国人がその穴埋めのために招かれるのであり、多分に誇張が含まれている。 さらに、由緒ある寺社仏閣が立ち並ぶ京都や鎌倉で場違いなカフェやレストランを開業している経営者も、ハロウィンに渋谷で暴れまわった若者も、その大半が日本人で、多くの日本人自身が「日本らしさ」を放置していることに鑑みれば、「日本らしさを損なうから外国人の受け入れに反対」という主張は説得力を欠く。 もちろん、実質的に移民を受け入れるとなれば、例えば母語が日本語でない子どもの就学の問題など、相応のコスト負担が必要になる。 したがって、日本政府に求められるべきは、むしろ移民にまつわる誤解や誇張を打ち消し、受け入れのコストを差し引いても利益が大きい、あるいは必要である、という覚悟を国民に広く求めることであろう。 負のレガシーの恐れ この理解や覚悟を欠いたまま移民を受け入れたことが、現在のヨーロッパの移民問題の根底にある。ヨーロッパ諸国は1940年代後半、戦後復興を行う人材の不足を海外から調達したが、彼らは「移民」ではなく「一時的な労働力」とみなされやすかった。当時、西ドイツでトルコ系が「ガストアルバイター(英語でいうゲストワーカー)」と呼ばれたことは、その象徴である。 ところが、多くの移民は「一時滞在」の前提を共有しておらず、戦後復興が終了した後も増え続けたため、認識のギャップが拡大した。「想定と違った」ことはその後、受け入れ国市民の間に反移民感情が生まれやすい土壌になった。 日本政府が「移民政策ではない」と抗弁して国民に「移民は来ない」と思わせようとしているなら、将来的に永住者が増えた際に「想定と違った」という不満を生まれやすくする。しかも、その頃には現在政権を担っている政治家や官僚は引退しており、憎悪や不満の矛先は、その時代の移民たちに向けられる。その場合、今回の入管法改正は、日本にとって負のレガシーになり得る。 言い換えるなら、この問題は安倍首相のお気に入りの慣用句「結果責任」や「責任政党」のあり方を問うているといえるだろう。 外国人労働者在留資格新設は実質の移民法! ウイグル絶望収容所で「死刑宣告」された兄を想う =前節= = NewsWeek_Column 2018年11月8日(木) 長岡義博(本誌編集長) 中国・新疆ウイグル自治区における共産党当局のウイグル人強制収容の事実が報じられるようになってから、もうすぐ2年。この間収容者の数は増え続け、今や100万人、あるいは100万人を超えているとも言われる。中でも際立っているのが、教育者や文化人、スポーツ選手など著名人の収監だ。さながら、ウイグルに対する文化的ジェノサイド(大量殺戮)の様相を呈している。 現在拘束されている中でも高位の人物の1人が、自治区最大の教育機関である新疆大学学長だったタシポラット・ティップ教授(60)だ。新疆大学を卒業後、日本に東京理科大学に留学して、理学博士号を取得。地理学と地質学の専門家で、世界的にも名を知られた学者だった。研究プロジェクトの成果から中国教育省に賞を与えられたこともあった。 国連「ウイグル族不当拘束」 中国政府「テロ対策」 プロパガンダ映像で「見せしめ」に タシポラット氏は17年3月、北京の空港からドイツに向かう途中で中国当局に拘束された。アメリカの短波ラジオ放送「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」によれば、タシポラット氏はいま、「国家分裂主義者」としてほかの教育関係者・作家らとともに収容所にいる。「共産党に反対するグループをつくり、地位を利用して分裂主義を実現しようとした」との「自らの罪」を認めるプロパガンダ映像素材となっており、その映像は自治区内の中学校で生徒と教師用に「教材」として使われているという。 タシポラット氏の弟であるヌーリ・ティップ氏(52)は今年10月5日、RFAの報道で兄が2年の執行猶予付き死刑判決を受けたと知った。 グルジャ市(伊寧市)で郵便局を勤めた父の下、5人きょうだいの一番下の弟に生まれたヌーリ氏にとって、タシポラット氏は背が高く、バレーボールが得意で学業も優秀な自慢の兄だった。タシポラット氏は体育専門学校に進まないかと誘われるほどバレーボールが優秀だったが、学問の道を選び新疆大学に進学。卒業後、新疆大学で教授を勤めた後、吉林省長春市の日本語学習機関で日本語を学び、東京理科大学大学院(修士・博士課程)へ留学した。 同じく新疆大学文学部を卒業したヌーリ氏は90年に兄の後を追って日本へ。当時、日本に暮らすウイグル人は数えるほどしかおらず、2人は助け合いながら異国の地で学生生活を送った。理系の兄は国費留学だったが、文学専攻の弟は私費留学だった。居酒屋でアルバイトをするつましい生活の中、兄とカラオケを歌いに行き、日本の歌で日本語を練習したのがヌーリ氏の東京の思い出だ。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- ・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2018/11/12 06:05:03 AM
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