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後は“野となれ山となれ”アフガン逃げ出すトランプ政権
= WEDGE Infinity《世界潮流を読む 岡崎研究所論評集》 2019年2月12日 佐々木伸 (星槎大学大学院教授)


米国のアフガニスタンからの逃げ腰に拍車が掛かってきた。トランプ大統領は先の一般教書演説でも駐留米軍の半減に意欲を示したが、その一方で反政府組織タリバンとの和平交渉をがむしゃらに進めている。撤退に向け、後は“野となれ山となれ”といった感があるが、都合が悪くなれば肩入れしてきた政権を見捨てるという米国の習い性があらためて浮き彫りになった。

撤退のための拙速な和平合意
 9・11(米中枢同時テロ)の報復として、ブッシュ政権が始めたアフガニスタン戦争だが、タリバンとの紛争が泥沼に陥ったまま、すでに18年が経過した。撤退の道筋を付けたのはオバマ前政権だが、トランプ政権になって一気にその動きが加速した。

 トランプ大統領は政権1年目の夏、国防総省や安全保障チームからの強い進言を受けてアフガン新戦略を発表、約4000人を増派し、駐留部隊を1万4000人規模にした。しかし、当選するずっと前からアフガンからの撤退論者だった大統領はアフガン情勢が一向に改善しないことに不満と苛立ちを強めた。

 こうした中、大統領は昨年12月、シリアからの軍撤退の発表に続き、アフガンからの部隊半減を決定した。「何千億ドルも使って部隊を駐留し続ける意味はない」という米第一主義の論理からすれば、当然の帰結だった。トランプ政権は撤退を後押しするために昨年から和平交渉を並行的に進め、先月末、カタールのドーハでタリバンと和平の大枠で合意した。いかにも唐突な合意だった。

 両者の合意は米国が部隊を撤退させるのと交換に、タリバンがテロ組織にアフガンの地を利用させないことを確約するというもの。かつてのタリバン政権がオサマ・ビンラディン率いる国際テロ組織「アルカイダ」を保護し、これが9・11につながった同じ轍を踏まないためだ。だが、拙速に合意に持ち込んだとの印象は免れない。

 トランプ大統領の部隊半減決定の背景には、アフガンにこのまま残留しても戦況好転の見通しはほとんどないという理由が大きい。米政府のアフガン復興担当機関の報告書によると、アフガン政府の支配地域は全土の54%。残りはタリバンの支配地か、両者が競り合っている地域で、政府が国土の約半分しか掌握していないことを示している。タリバンの勢力が拡大したのは米部隊が地方から都市部へ展開の中心を移したということもあるが、タリバンを壊滅するという米国の当初の目論見はとっくに非現実的なものになっている。



牙を隠すタリバン
 公表30万人を超えるアフガン治安部隊がタリバンに有効に対処できない理由の1つは政府や軍の隅々まではびこる腐敗だ。文書仕事1つするにも賄賂がないと動かない上、名前だけ軍に登録している“幽霊兵士”がかなりの数に上っているからだ。“幽霊兵士”分の給料は上官がポケットに入れており、士気の低下は著しい。

 イスラムでは元々、金持ちが弱者に「喜捨」をすることは義務の1つであり、“バクシーシ社会”といわれる所以でもある。バクシーシとは、心づけといった意味。イスラム世界の潤滑油といわれるが、アフガンではこれが半端ではない。他民族が入り乱れ、各部族や軍閥の長が隠然たる力を持っているため、何段階にもわたってバクシーシが必要になってくる。
 
タリバンは「長期の戦争に嫌気がさし、一刻も早く逃げ出したい」という米国の足元をしっかりと見ている。米国との協議でも「タリバンは過去の過ちを反省しており、軍事的な解決は求めていない」(ハリルザド米交渉代表)と過激な言動を自重して見せている。このほどモスクワで行われた「アフガン和平会議」でもタリバンの代表は「単独政権は目指さない」「イスラムの教えにある女性の権利は認める」と述べるなど、過激な思想を封印して融和的な態度を前面に出し、穏健な政治運動という姿の演出に努めた。

 だが、タリバンの穏健な姿勢は米国が撤退するまでの一時しのぎ、という見方が強い。「彼らがイスラム原理主義思想を変えたという話はない。米国が撤退しやすいよう戦術を若干変えただけだ。米国がいなくなれば、すぐに本来の牙をむくだろう」(ベイルート筋)。米国が撤退すれば、平和は到来しないどころか、タリバン支配の暗黒時代が戻る懸念は十分ある。

 7月に大統領選挙を控えるガニ大統領はこのほど、トランプ大統領に書簡を出し、米軍が完全撤退しないよう泣きついた。タリバンが戻れば、ガニ大統領の命さえ危うくなる恐れがあるが、トランプ大統領がこの訴えを聞き入れる可能性はほとんどないだろう。



プーチン氏が主役に
 だが、トランプ大統領が現時点の損得勘定だけを重視している間に、中東、西南アジアではロシアのプーチン大統領の存在が動かしがたいものになっている。シリアでは、米軍撤退後の力の空白をめぐって各勢力の思惑が入り乱れているが、その調整役をプーチン氏が担い、事実上支配地の割り振りさえ主導している。ロシア、トルコ、イランの「シリア和平会議」もその一環だ。

 また例えば、トルコとシリアのクルド人とは戦争の危機にあるが、米国が頼りにならないと見て、双方ともプーチン大統領にすり寄り、調停を持ち掛けているし、アサド・シリア政権とクルド人との接近に一役買い、またシリアを舞台にイスラエルとイランの緊張が高まらないようバッファーの役割も担っている。

 かつて旧ソ連時代にアフガニスタンに侵攻して敗北したロシアにとって、アフガニスタンは依然、戦略的なロシアの裏庭であり、影響力を保持し続けたい重要地域だ。このため、タリバンにはこれまでも、米国を激怒させない程度に資金や武器を援助してきたが、トランプ政権の米軍縮小決定を受けて公然とアフガンへ介入し始めた。

 モスクワで2月5日から開催した「アフガン和平会議」はプーチン氏のそうした野心を示すものであり、「ポスト・アメリカ」の力の空白を埋めようとする動きにほかならない。米国がこのほど、中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄するなど、ロシアへの強硬姿勢を示していることも、シリアやアフガンでプーチン氏が主導権を誇示する動機になっている。

 米国には過去、肩入れしていた外国政権を見限ってきた歴史がある。ベトナム戦争では南ベトナム政府を見捨て、その後も、イランのパーレビ国王、フィリピンのマルコス大統領、エジプトのムバラク大統領などと続いた。アフガンの政権がこうした“屍の列”に名を連ねるのも遠い話ではない。



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。  
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