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テーマ:福祉医療関係(1062)
カテゴリ:福祉事業所
A事業所では、利用者が感謝の文章を伝えるための手段として「感謝カード」制度があります。具体的には、利用者が他の利用者の感謝に値するよい点を見つけたら褒めて、所定の用紙に記入して「感謝ボックス」の中に入れます。それを夕礼の時に日直が発表するものです。小学生でもやっているような簡単なものです。
そもそも、「感謝カード」制度は、コミュニケーション活性化やモチベーション向上の効果を目的として、利用者間の絆を深めるツールとして日々活躍するはずでした。ところが、A事業所では「感謝カード」制度が悪用され、依怙贔屓(えこひいき)の道具として使われてしまいました。
ある日、グループワークのリーダー役が、部下役4人いるのに3人しか「感謝カード」を書かず、1人を全く無視しました。夕礼の「感謝カード」発表時に、その無視された利用者は何とも言いようのない寂しい表情をしていました。周囲の人たちはグループリーダーの公然と行われた、悪質な小学生のような嫌がらせに気がついていました。
それ以来、ケチをつけてしまった「感謝カード」を書く利用者はほとんどいなくなりました。まれに、その事実を知らない新人の利用者が「感謝カード」を書くことはありますが、空気を察するのか長続きしません。ほとんど毎日、夕礼での日直の「今日の感謝カードはありません」という声が虚しく響くだけです。
たった一人の利用者によって台無しにされてしまった「感謝カード」制度ですが、そもそも、障害者に対してただ褒めればいいという安易な考え方はいかがなものかと思います。精神障害者の中には、自己肯定感が極端に低い人もいるので、そういう人にむやみに褒めたりすると、かえって傷つけてしまうこともあります。スタッフにはもっといろいろと勉強してほしいと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年08月24日 08時04分59秒
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