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テーマ:福祉医療関係(1062)
カテゴリ:福祉事業所
ピアサポートとは、一般的には、同じような立場の人によるサポートといった意味で用いられる言葉です。A事業所では、気分障害圏の症状のある利用者、発達障害の症状のある利用者の関わりを通じて、お互いに助け合い、高めあうというピアサポートの精神を大切にしています。利用者の孤独感の軽減、経験的知恵を基盤とした支援の利用、生活の質の向上等が期待できます。さらに、他の利用者と積極的に関わってお互いに成長していくことも可能になります。
利用者同士が協力をしたり、話し合ったり、お互いの考えを具体的に表現することは大切です。中でも、コミュニケーション能力を向上させるためには、相手の立場に立って共感する能力を身につけることが重要です。つまり、仲間同士だからできる「対等性」と「共感性」から生まれるサポートが大切で意味があるということです。
ところが、精神障害者には「自分にできるのだから相手ができるのは当然!!」、あるいは、完璧主義に陥りやすい「白黒思考」、怒りの原因になりやすい「べき思考」といった認知の歪みを持った方が多数います。そのような利用者のアドバイスが適切でない場合も多いです。
A事業所の場合、同じ障害者同士のピアサポートならば、有益な情報もありますが、障害を跨ってしまうと悲劇が起こります。気分障害圏の利用者で、「自分ほど偉い者はいない」と思っている人の上から目線の心無い発言は、差別や嫌がらせ、受け取る人によってはパワハラになってしまいます。こういう形で傷つく発達障害者が多いのも事実です。
結局、A事業所においては、スタッフの能力不足を補う目論見で、ピアサポート制度を導入したのかなと勘ぐってしまいます。残念ながら、ピアサポート制度が機能するどころか、利用者間のマウント取りの絶好な機会になってしまっています。そんなこともあり、スタッフがピアサポートを口にする機会もなくなったような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年08月17日 09時00分57秒
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