ハラハラ日記

ボンを大学病院に連れて行く日です。

下の子も連れて行くので義母にヘルプを頼みました。義母に来てもらったのは診察の話を一緒に聞いてもらい、より多くの質問をドクターにしたかったというのもあります。

千葉県に転居する前静岡県のメンタルクリニックでも一度診てもらっていて、その時の診断名は高機能自閉症（アスペルガー）でした。今回の大学病院はセンターからの紹介で、セカンドオピニオン兼ねています。ま、間違いなくアスペなんだけどＡＤＨＤも合併していると思い始めたので、その辺りもお聞きしました。

で、やっぱりアスペルガーでした。

３歳以降人に暴力を振るうようになった事などからＡＤＨＤも疑っているのですが・・・・と質問すると「自閉症だけでは暴力をふるわないし、ＡＤＨＤだけでも暴力は振るいません。お母さんの言うとおり合併でしょうね」「暴力はいつ頃からですか？」

幼稚園時代も多少ありましたが、理由のない暴力というのはあまりありませんでした。人とのかかわりの最初の段階でちょっかいを出すとか・・・・あとは意地悪された仕返しとか、私には理由がわかりましたし、幼稚園時代から激しい暴力があったとしたらこの書類（幼稚園からの申し送り）にも、しっかり記載されているはずですよね？

「そうですね・・幼稚園時代の事はこだわり行動が多く書いてありますね。暴力が始まったのは小学校に入ってから・・・どんな風ですか？」

以前だったら私には理由がわかったことでも、今では私にすら理解不能な出方です。例えば体育館への移動時にすれ違いざまに、初対面の人を蹴るとか・・・交流授業の後に「イライラしたから」と友達を蹴るとか。その時の息子の気持ちになるべく共感して「～～～がしたかったね」とか「がんばりすぎて疲れたね。よく頑張ったよ」と声をかけながら抱きしめると大分落ち着くんですが・・・・・これ以外の接し方とか対処法は他にないでしょうか？

「薬物療法と入院があります・・・・薬はこだわりを軽くする薬か衝動性を押さえる薬、どちらかなんですが。どっちがいいですか？」

こだわりは大分減ってきてますし、説明すれば理解できるんです・・本人も頭ではわかっているのに行動が止まらないような感じですので・・・・・・

「リタリンですね」

！！！！！絶句です。第一種向精神薬・・・・・・・妹がうつで薬を飲んでいたので多少知っていたのです。（ま、発達障害界隈でリタリン知らない人もいないけど）妹が飲んでいたのは第三種のハルシオン、パキシルその辺りでした。リタリンは第一種なのですよ。覚醒剤のようなもの・・・飲んだ直後から幸福感を得る、用法用量を守らないと常習性・・・・（後に、発達障害で出されたひとで常習者になった人はいないと知り安心したけど）

そもそも日本でリタリンはＡＤＨＤの薬として認可されていないのでは？

「ええ、そうです。発達障害としてではなく精神障害として処方することになります。ボンくんの場合行為障害です」

リタリンですか・・・・（危険な薬というイメージを封印したとして、ほかにも飲ませたくない気持ちは前々からあったのです・・・それはまた別の機会に）「・・・・・・・・・・・・・」

「入院するとなると都内の○○病院・・・・他にもう一箇所かな・・・まだ小さいからね」

入院してどんな事をするんですか？？？？？

「薬物療法と合わせて、薬の効いている時間に対人関係のトレーニングとか、いろいろ教育的なことですよ」

期間はどのくらい？？

「最近よくなって退院されてたお子さんは８ヶ月入院してました。そのお子さんによります」

は、はちかげつ？？？？とてもムリです。

「リタリンは飲みますか？」

わかりません・・・・・・ちょっと考えさせてください・・・・（うんうん、と頷くお医者様）

「リタリン持ち帰りたい？」

飲むかどうか解らなくても出していただけるのですか？こちらの病院は遠いのでやっぱり欲しいと思ってもなかなか来れませんし・・

「出しますよ。ただ次回の診療はリタリンを飲んだことが前提の質問になります。お母さんもリタリンがどんなお薬かご存知でしょう？処方箋を書いたからには効き目があったのか、量が足りなかったのか、薬が当たらなかったのかきちんと検証しなくてはなりませんから」

お医者様と話している間バブをあやしていた義母でしたが、途中でお医者様の言葉をさえぎり「でも・・うちに来た時はごく普通で・・・」とか「４年生の孫がいるけどその子とケンカもするけど、なんとかやっているし・」お義母さん、わかるよその気持ち・・・でもね・・・と困惑するとお医者様が、かなりわかりやすい言葉で説明してくれました。が、優しい言葉だっただけにあまりピンとこない説明に終始してしまったような・・・・

義母は「病気とかそういう目で私だけはボンちゃんのこと見たりしない。ちゃんとちゃんと育つわよ」と誰に言うでもなく言っていました。

診察室を出たあと「お義母さんの気持ちも解ります。静岡での診察のときに〈大してボンと面談もしない問診もしないで、チラリと見ただけで何がわかるの？〉って私も思いましたから。」うんううんと頷く義母・・・「でもこれがセカンドオピニオンですから・・」

これは言えなかった事だけど・・・・・・・・・

障害とかそういう目でみないで、子供のいいところだけ見て育てる。それはもちろん大切なこと、第一条件であるけれど、本人の障害をきちんと理解してそれに添った接し方、環境を整えず放っておくのは別の意味での愛情不足になるのでは？？？

私は自分の子を人の前で褒めちぎる事ができ無かったけど、家では褒めて抱きしめていたのだけど・・・・愛情不足なのかな？

おおらかで愛情深い義母から見たら、私は神経質で褒め言葉の少ない子育てをしていたと思われても仕方ないのかな。（アスペっぽいオットを見事に育て上げたのだから、本当に「愛」の力は偉大だと思う。義母の言うとおり愛情をたっぷり注げばなんとかなる・・・んじゃないかと思ってしまう。）

アスペルガー高機能自閉症を知っていますか？という冊子を義母にも読んでもらいましたが「あてはまることもたくさんあるけど・・・・でも・・・・・・・・」と最後まで納得してはもらえませんでした。それはそれで仕方の無い事だし、考え方によってはよいことでもあります。ボンのことをまるごとめちゃめちゃ可愛がり続けてくれるのは、とても嬉しいし、ボンにとって必要な事だと思うから。

それにしてもリタリン・・・・・悩みは尽きないなぁ・・・・・・