2005/10/13(木)20:46
盆栽価値評価
さて、盆栽の話です。
・・・盆栽の価値はどうやってきまるのでしょうか?
(おさらいですが盆栽ってのはこんなの。コレで30万するそうです。)
五葉松(逸品古樹)
まず、考えなければいけないのは盆栽の「植物価値」です。
写真でいえば「松の木」の価値です。
この植物価値を見るときの注意点は「現在が全てではない」ということです。
写真の五葉松でも現在は現在なりに整った魅力を持っているのですが、
ここからさらに良くなる可能性があります。
つまり、時間とともに樹格が上がり、魅力が増す分を考慮して、
価値を査定しなければいけないということです。
盆栽名人は盆栽をひと目見て、
その盆栽の3年先、5年先の姿が分かるそうです。
「この木の個性はこの点で、こういう風に育つだろう」
とか、
「この木の将来性はここまではあるな」
なんかが分かるそうです。
凄いです・・・。
このような盆栽名人は素質のある素晴らしい天分の盆栽を種木で買います。
それを丹精してよくすると、それを売って、さらに素晴らしい天分のある盆栽に買い換えます。
さすが名人です。
・・・。
名人でない普通の人は、
「植物がどれぐらい成長するか」と「枯らしてしまうリスク」
を天秤にかけて自分なりの植物価値を弾き出さなければいけません。
著しい成長が見込める盆栽でも、育て上げる難易度が高い植物だと、
そんなに高い価値があるとはいえません。
枯れてしまったら終わりですから。
また、あんまり成長が見込めない植物でも、
安定して育てられる植物の場合は、そこそこの価値はあるのだといえると思います。
・・・ということで、名人でない普通の人にとって植物価値を考える場合は、
「枯らしてしまうリスク」と「植物の成長度合い」が重要になってきます。
_________________________________________________________________________________________________________
さて、もう一回、五葉松。
この盆栽。
値段は最初に言ったとおり30万です。
・・・結構な値段です。
うん?
でも、
もしも、
もしもです。
この五葉松の器の「鉢」がこれだったらどうでしょう。
この鉢。
なんと45万です。
45-30=15
30万の盆栽が器だけで45万・・・。
将来的に枯れてしまうかもしれない上の植物なんて考えなくても、
器だけで盆栽価格を上回ってしまいます。
あり得ないですよね。
こんなの。
盆栽市場の人が気づいていないだけで、
この30万の盆栽は、買えば理論上まず損することはありません。
ただ、やはり「盆栽」ですから、
上の植物を引っこ抜いて、鉢だけ売りにだすというのはできません。
あくまでも「盆栽」としての評価の上昇を待たなければいけません。
引っこ抜いて骨董品屋に売れば、簡単に儲けれるのに。
盆栽じゃなかったらなぁ・・・。
また、器は植物みたいに成長しませんので、
時間とともに器の価値が上がるということは、まずありません。
育って成長していく姿を愛でるという盆栽の楽しみは無いです。
でも、理論上は割安なのは間違いありません。
常に動く「植物価値」をあてにしなくても良いという利点があります。
こんな盆栽があれば安心して買うことができます。
__________________________________________________________________________________________________________
こんな理屈を盆栽をぼんやり眺めながら考えます。
リアルな盆栽を見て、いろんな思いをめぐらします。
盆栽を愛でるような気持ちで日々の投資活動を行う・・・。
コレが盆栽投資。
名人になったつもりで、
自分の持っている盆栽の将来の姿をイメージしています。
素晴らしい盆栽に育つといいなぁ。