『人工庭園』
横尾忠則さんが東京新聞に4年間連載していたエッセイを1冊にまとめた『人工庭園』。ポスター表現をチェックしてみたくなって、つらつらと読んでみました。横尾さんは、不思議な方です。ある有名女優に何度か会ったことがあり、その人の顔を絵にしたことがあっても、別の機会に会うと、その人が誰だか覚えていない、という……。「顔音痴」だそうです。名前なら、よくあることだけど~~;。金沢21C美で行われている個展は、3日まで。もっともインパクトがあったといっても過言ではない展示が、13,000枚もの膨大な滝の絵葉書を、小部屋に貼りめぐらせているコーナーでしたが、今回が初めての展示ではなく、2001年に原美術館でも行っており、「絵葉書供養」と位置づけていることを知りました。十分に供養されていますね。「読書の記憶」については、自分にも心当たりが多すぎます。そうか、記憶が欠落してしまう読書は、刹那的な楽しみなんですね。人によっては、高尚な知識や教養を身につけるため、研究資料として活用するため、など、意義あることなのに。わたしにとって、本書を読むのは、好奇心を飼いならすための楽しみの一つ?全ポスターもちら見中。「横尾忠則の全ポスター」