やっぱり読書 おいのこぶみ

2006/02/01(水)23:14

『シュガータイム』小川洋子(中公文庫)

読書感想(317)

読んでいるとおなかがすいてくる本。 特にドーナッツの描写は秀逸で、 買いに走りそうになった。 小川洋子のうまさ! 季節がひとめぐりするあいだに、 かおるの恋のゆくへは…。 淡くて、懐かしくて、哀しくて。 その移り変わりがなにげなくて美しい。 学生時代はそうやって季節に区切られていくのだ。 語り手かおるは、弟の不具や継母やの陰があり、 屈折しているのだろうか。 食べ物への異常な興味があり、心配になるが、 悲しくても、つらくても、 食欲があるって青春なのだよ。 二度とこない、ね。

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