やっぱり読書 おいのこぶみ

2006/12/23(土)09:54

遠くにいるから

読みたい本、注目の本(32)

今朝の日経文化欄に、宮城谷昌光氏と佐藤賢一氏の歴史小説について記事があった。 それぞれ「中国史」(宮城谷)と「西洋史」(佐藤)をモチーフにしていた両作家が、斬新な目を持って日本の戦国時代を題材にとって小説を書いているという。 宮城谷の家臣(部下)の目から観た歴史というのもおもしろいが、佐藤の「両性具有の信長」というテーマにもいたく興をひかれる。 その題名もずばり「女信長」。 両性具有といえばヴァージニア・ウルフの「オーランドー」、白洲正子の「両性具有の美」しか読んでいないが、なにがなし興深い気持ちがする。 性の思想的部分について言えば、若い時はやはり恋愛感情にゆれる、歳経ると遠のくのは必定、しかし枯れるのではない。遠くから見るのであるから、遠景が全体を見通せるようにわかってくるものがある。 新奇をねらうのではない、人間の奥深さがにじみ出るような気がする。しかし、佐藤氏の「女信長」は近来の「女の時代」に即した歴史観でもあるらしい。読みたい。

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