2019/02/03(日)18:22
2006年読了本回顧1月~6月
その時はものすごく感銘しても時が経てば、忘れたり醒めたりするのが読後感。反対になあんだと思ったものが案外印象に残ったり、だから読書はやめられない。
で、振り返ってみよう私のこの一年。○印は私の感性で好きという程度、◎印は読み足りなかったり、感銘深く読み返したいなーと思う本。倉橋由美子とヴァージニア・ウルフが多かった前半年。
1月(6冊)
『ナチュラル・ウーマン』松浦理英子(河出書房新社)
『すべてがFになる』森博嗣(講談社文庫) ○
『愛人ラマン』マルグリット・デュラス(河出文庫) ○
『神の手』望月涼子(集英社文庫) ○
『心のなかの冷たい何か』若竹七海(創元推理文庫)
『カラーパープル』アリス・ウォーカー(集英社文庫)
ブログで話題になったものが多いね。松浦理英子を読んだのは桐野夏生が好きだと誉めていたから。○印(私が好きだなぁと思った作品)が三つ。3作ともみんなしっかり内容を覚えているところを見ると、印象は変らずだろう。
2月(10冊)
『春の雪』(豊饒の海・第一巻)三島由紀夫(新潮文庫) ○
『あつかましき人々』マルグリット・デュラス(河出書房新社)
『葬儀の日』松浦理英子(河出文庫)
『素晴らしい一日』平安寿子(文春文庫)
『倉橋由美子の怪奇掌篇』倉橋由美子(新潮文庫) ◎
『八ヶ岳「雪密室」の謎』笠井潔編(原書房)
『遺留品』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)
『覆面作家は二人いる』北村薫(角川文庫) ○
『証拠死体』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)
『シュガータイム』 小川洋子(中公文庫)
◎印(読み返したい)倉橋由美子の『怪奇掌篇』は恐いもの見たさ。やはり桂子さんシリーズのほうが再読の価値あり。三島由紀夫の『春の雪』の巻はともかくその後の巻は再読したい。
3月(6冊)
『ながい坂』山本周五郎(新潮社) ◎
『百年の誤読』岡野宏文・豊崎由美(ぴあ) ○
『フランダースの犬 』ウィーダ(新潮文庫)
『天人五衰』(豊饒の海・第四巻)三島由紀夫(新潮文庫) ○
『暁の寺』(豊饒の海・第三巻)三島由紀夫(新潮文庫) ○
『奔馬』(豊饒の海・第二巻)三島由紀夫(新潮文庫) ○
昔、魂を揺さぶられこんないい本はないと思った『ながい坂』、再読して◎印はつけたが今はさほど、時代が変ったのか私が変ったのか、あれなんだか物足りない、のはどういうわけ?『百年の誤読』は面白いだけでなく勉強になった。
4月(9冊)
『追跡のクリスマス・イヴ』メアリー・H・クラーク(新潮文庫)
『古本屋五十年』青木正美(ちくま文庫)
『灯台へ』 ヴァージニア・ウルフ(岩波文庫)◎
『よみがえる百舌』逢坂剛(集英社文庫)
『グッドラックららばい』平安寿子(講談社)
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ 鴻巣友季子訳(新潮文庫)◎
『間宮兄弟』江國香織(小学館)○
『泥棒は図書室で推理する』 ローレンス・ブロック(早川書房)○
『偏愛文学館』倉橋由美子(講談社)○
『真犯人』パトリシア・コーンウェル(講談社文庫)○
『だめんず・うぉかー(1)』倉田真由美(扶桑社SPA!文庫)
やはり『嵐が丘』は何度読み返しても新鮮な驚きがある。訳者が変ればまた面白い。新解釈の新翻訳もはやりだね。『古本屋五十年』『泥棒は図書室で推理する』『偏愛文学館』本がらみは好きだ。
5月(7冊)
『妖虫』江戸川乱歩(創元推理文庫)
『あたりまえのこと』倉橋由美子(朝日文庫)○
『本棚探偵の冒険』喜国雅彦(双葉文庫)
『日輪・春は馬車に乗って』横光利一(岩波文庫)◎
『死者との誓い』ローレンス・ブロック(二見文庫)○
『老人のための残酷童話』倉橋由美子(講談社)○
『婚約』倉橋由美子(新潮文庫)○
『オーランドー』ヴァージニア・ウルフ(国書刊行会)◎
ヴァージニア・ウルフは私にとって魅力的、むしろ読み返さなくてはと思っている。横光利一はもっと見直されてもいい。
6月(7冊)
『あやめ 鰈 ひかがみ』松浦寿輝(講談社)
『はつ恋』ツルゲーネフ(新潮文庫)
『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン(角川文庫)
『夢十夜』夏目漱石(岩波文庫)◎
『不実な美女か貞淑な酷女か』米原万理(新潮文庫)
『夢幻の宴(えん)』倉橋由美子(講談社)○
『太陽がいっぱい』パトリシア・ハイスミス(河出文庫)
『ダ・ヴィンチ・コード』は面白かったけれど、あんなに流行らなくてもよかったのではないか。松浦寿輝、米原万理、パトリシア・ハイスミスは他の作品をも読みたくなった。