2011/11/12(土)18:29
「母と娘」というテーマ
梨木香歩さん『裏庭』は全編のほとんどがファンタジー。ミステリー好きのわたし、つじつまが合わないのはダメ(笑)つくづくわたしはファンタジーが苦手なのがわかった。ストーリは主人公の女の子が古い西洋館の鏡から不思議の国に入ってしまい、いろいろ面妖な経験をして、その夢のような冒険から女の子は成長を遂げ戻ってくる。テーマは「母と娘」のかかわり。というわけで「母と娘」。母娘も親子。もちろん愛情でつながれている。幼いうちは子が全人格を預けている。でもこの小説のように母の愛情が幼い娘にとって薄いように思ってしまったら、それは少々寂しい。しかしいつかはお互いに1個の人格がある者として自覚しあう時期が来る。なかなか来ない人もいるが(笑)友達親子とか姉妹親子とかいって愉しく仲良くしているらしい母娘が。一生そのような母娘がいるかもしれない。同性であるがゆえ「なれ」やすい。「なれ」には「慣れ」と「馴れ」と「狎れ」がある。だからこのファンタジーのように中学一年生で親離れ(親を理解)をしたのはいいことである。わたしなど40歳になるまで意識しなかったもの。おかげで自覚した時は気まずかった。それは遅すぎ。恥ずかしいかぎり。性格もあると思う。母は頼る性格、それを親というころもを着て私に依存していたので、一心同体とわたしも、母も思ってしまったのはおかしいことであった。そのことで、いろいろな不都合が母が亡くなった今ごろ起きて困惑しているのである。ま、小説には「母娘」のテーマが多い。これからも読むであろうよ。