やっぱり読書 おいのこぶみ

2016/10/29(土)18:37

『強父論』阿川佐和子

読書メモ(478)

佐和子さんは好感度なインタビュアー・タレント、エッセイストでもあられる 言わずと知れた作家阿川弘之さんのお嬢さん 作家の身内に依頼される「故人について書かないか」に 唯々諾々で書かされた由、だからか、強烈な悪口満載の父親の思い出 友人はこの本を読んで可笑しくてたまらなかったそう ユーモアあふれた本だと貸してくれた そうかなあ 読みはじめは気分悪くて本をほり投げたくなった とにかく癇癪もちで横暴な父親の描写にもろ、腹が立った こんな人、今時いるのか うそみたいな「男尊女卑」男の見本の父像 「誰のおかげで暮らせるのか!」「子供はうるさい!」などね でもね 途中から、こんどは涙なしには読めなくて ああやっぱりいい本だと思った 何につけてもいちゃもんばかりの父なのに 娘が文章をものにし出すと、真っ当なアドバイス 内容には一切口出しせず、ただ文法的な注意のみ 娘が書けないで行き詰っていると、ほんと同業の優しい慰めが そこに父親の誠意を感じる娘 まあ、思い出は美しくなるのは必定だけども 向田邦子さんも「強父」だったので上手い作家になった だから阿川佐和子さんも上手くならざるを得ないのだろう     

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