やっぱり読書 おいのこぶみ

2017/12/25(月)17:31

『似たものどうし』慶次郎縁側日記傑作選 北原亞以子

読書メモ(479)

時代劇(主に江戸時代の)と言えばチャンバラがなくてはならない、と思っている時代劇好きが多いのでは? わたしはどっちでもいいけど、この北原さんのシリーズは剣劇がない。 ただ、どうも女性作家のお書きになる時代物が好きではなかった。 まだ読んでいない作家さんもあるが、平岩弓枝さんしかり、宮部みゆきさんしかり。 なんだろうな? 時代物に限って男女差があるというのも変だが、わたしは感じる。 洒脱(しゃだつ)と剣劇がないとは気が付くが、それが時代物のすべてではない。 叙情味あふれる繊細な情景描写が多くあるのは、大御所山本周五郎さんも、まして藤沢周平の世界も、ちょっと趣は違うが葉室麟さんにもある。 そして、この「慶次郎縁側日記シリーズの傑作集」 15~6巻も続いたものの傑作選集であり、その全巻を解説してあるので、お手軽かつすべて読んだ気になる、なかなかの本ではあった。 もうこれは時代物ではない。シリアスな現代の世相や人の機微。 ちょっと昔、マカロニウエスタンという西部劇があったが、そんな感じに似ている。 現代が江戸時代にワープしたといってよい。 そう言えばこの頃、映画でも、TVドラマでもそういうのが多い。 そうしないと時代物が受け入れられないのかもしれない。 昔の時代物でも書かれたその当時の思想が入るのだが、その入る現代がずれたということ。 つまり、変な言い方だが昔が遠くなったということである。 または、こちらがついていくのに大変だということかも(笑) ​ ​

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る