2018/04/13(金)14:46
『生贄の木』キャロル・オコンネル
物騒なタイトルで気が引けるが、警察ものやハードボイルドはこうなる。
舞台はニューヨークはセントラルパーク。
その公園の森の中で事件が起こる。宙吊り人間袋詰めが三つ発見される(うわ!)
おまけに幼女誘拐も加わって・・・。
セントラルパークはもちろん新宿御苑より広いんでしょうね。
森がやたらと広く、木々がうっそうとしている描写があり、
いかにもおぞましいことが起こりそうな・・・
さすがにニューヨーク!って、知らないんだけど。
そこに登場して活躍するのはキャシー・マロリー=ニューヨーク市警ソーホー署巡査部長。
知らんかったけれど、これシリーズもので10作目、4半世紀も続いているとか。
このヒロインの波乱にとんだ出自やとっぴな性格がシリーズが進むにしたがってだんだんわかる仕掛け。
こういう時、シリーズの最初の本から読みたくなるのがわたしだけど、解説にこのシリーズに限ってどこから読んでもいいとあったので、まいいか。
クリスティのような清張のような古典に親しんでいる者にとって、場面の展開の目まぐるしさ、仕掛けの複雑さに慣れるまでが、ちょっと読みづらいけどね。
魔術的文章に魅せられてっていうのとは(サラ・ウォ-ターズ『半身』がそうだけど)また違う。
猟奇的事件の陰に「いじめ」や「家庭崩壊」「組織」「賄賂」「政治家」・・・
など、どこにでもありそうなことをさらりと盛り込んで、読ませる。