やっぱり読書 おいのこぶみ

2018/04/13(金)14:46

『生贄の木』キャロル・オコンネル

読書メモ(478)

物騒なタイトルで気が引けるが、警察ものやハードボイルドはこうなる。 舞台はニューヨークはセントラルパーク。 その公園の森の中で事件が起こる。宙吊り人間袋詰めが三つ発見される(うわ!) おまけに幼女誘拐も加わって・・・。 セントラルパークはもちろん新宿御苑より広いんでしょうね。 森がやたらと広く、木々がうっそうとしている描写があり、 いかにもおぞましいことが起こりそうな・・・ さすがにニューヨーク!って、知らないんだけど。 そこに登場して活躍するのはキャシー・マロリー=ニューヨーク市警ソーホー署巡査部長。 知らんかったけれど、これシリーズもので10作目、4半世紀も続いているとか。 このヒロインの波乱にとんだ出自やとっぴな性格がシリーズが進むにしたがってだんだんわかる仕掛け。 こういう時、シリーズの最初の本から読みたくなるのがわたしだけど、解説にこのシリーズに限ってどこから読んでもいいとあったので、まいいか。 クリスティのような清張のような古典に親しんでいる者にとって、場面の展開の目まぐるしさ、仕掛けの複雑さに慣れるまでが、ちょっと読みづらいけどね。 魔術的文章に魅せられてっていうのとは(サラ・ウォ-ターズ『半身』がそうだけど)また違う。 猟奇的事件の陰に「いじめ」や「家庭崩壊」「組織」「賄賂」「政治家」・・・ など、どこにでもありそうなことをさらりと盛り込んで、読ませる。      ​

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