やっぱり読書 おいのこぶみ

2019/06/05(水)19:18

『日本怪談集 取り憑く霊』種村季弘編

読書メモ(479)

​​​​先日読んだ​『日本怪談集 奇妙な場所』​の姉妹編です。 怪談が21編、おどろおどろしいというよりも今では名作文学を読むという感じですね。霊魂があるかないかではなく人間のやることには、因縁があるということです。その深いわけも見つめずに何が解ろうか、というものです。 芥川龍之介『妙な話』のこれぞという場面に登場する「赤帽」に見張られているような人妻、うつ状態になるにはわけがあるのです。結城昌治『孤独なカラス』の少年は誰からも必要とされていなかったが故に奇怪な行動に走るのです。幽霊が出る、といってもそれに会うのも、見るのも人間だからです。 名作ぞろいですが特にめっけものだったのは 結城昌治『孤独なカラス』藤沢周平『ふたたび猫』三浦哲郎『お菊』柴田錬三郎『赤い鼻緒の下駄』三島由紀夫『仲間』 それぞれの作家の気質がほの見えておもしろい。 内田百けん『件』江戸川乱歩『人間椅子』 などは有名中の有名ですよね。 ​​​​

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