やっぱり読書 おいのこぶみ

2019/06/11(火)13:07

『羅生門・鼻』芥川龍之介

読書メモ(478)

​​先ごろ『妙な話』を読んで懐かしく思い出したので新潮文庫で読みなおしてみた。教科書で親しんでおり、夏目漱石と並んで古典中の古典であるから、全集などですべての作品を読もうと思いながらも、まだまだ幾作品か残している。 この文庫に収められてる『羅生門』『鼻』『芋粥』『運』『袈裟と盛藤』『邪宗門』『好色』『俊寛』は読んでいるのだが、細部は忘れているものだし、それによく理解していなかったなあと気がつくのがおもしろい。 例えば『邪宗門』という作品。 これはまさしくファンタジー・エンタメではないか!ええええ、日本文学の始まりからあったんだ! 平安王朝時代、ある貴族の若者が遭遇する青春活劇。恋のさやあてあり、荒くれどもとの知恵比べによる退治あり。妖怪変化を見破るの巻ありで、「(未完)」となっているのが惜しい。これこそ「つづき」をどなたかが書けばよろしいのに・・・。しかし、出典から引いた難しい熟語があまりにもおおいので、雰囲気を模写するのも大変ではあると思う。 こういう古典は注釈を参考にしながら読むのも苦労である。わたしは注釈をあまり見ないで読んでみたが、というのは読書歴がながいので昔の単語もわかるのだ。全部わかったわけではない、特にこの出典からくるものがなかなか難物だ。昔の人はこのくらいの教養は当たり前だったのか。 ま、学習ではないので気楽に読めばいいと思う。 ​ ​​

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る