やっぱり読書 おいのこぶみ

2020/10/10(土)08:45

『幽霊屋敷の殺人』キャロリン・G・ハート

読書メモ(478)

クリスティの「トミーとタペンス」の向こうを張るようなカップル、ミステリー本専門の書店経営者「アニー」と何でも相談所開設の「マックス」夫妻が、ゴシックロマンそのものの事件に巻き込まれていくミステリー。 イギリス仕込みのゴシックロマンであるから、舞台が「風と共に去りぬ」の一背景を思いおこすお屋敷が多かっただろうチャールストン近くなのもうなづける。 冒頭に家系図を挙げてはあるが複雑な登場人物と、思わせぶりなプロローグ、物語の間に挟まれた太字の挿入文章など構成は凝っているが、根気さえあればすんなりとはまっていくストーリーだった。 ところでこのシリーズ、のんきダンナと気が強いけどロマンチックな奥さん。このカップルのかけあいと、マックスの母つまりアニーのお姑さんの微妙な登場(おじゃま虫)が、ユーモアたっぷり怒り(殺意!)たっぷりと、いやあ、よくわかるよなあ。これはシリーズの目玉かも。 それにさ、流行らないダンナ事務所と小さい島(ブラウアーズ・ロック)の中のミステリー専門書店、生活はどうしているんじゃろか。この事件中は島の外、ホテルはスイートルーム!に泊まっているんだとよ。(もしかしてダンナがお金持ちだったっけ?ね) ​

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