2021/06/19(土)14:22
『浜田広介童話集』鬼塚りつ子編集
副題「心に残るロングセラー名作10話」という絵本です。
「泣いた赤おに」「むく鳥のゆめ」「りゅうの目のなみだ」「ますとおじいさん」「花びらのたび」「ある島のきつね」「よぶこどり」「子ざるのかげぼうし」「光の星」「たぬきのちょうちん」
実は小学低学年のころに読んで、ながく忘れられないひろすけ童話「花びらのたび」のことはずっと前にアップしました。
ふと思い出してそのブログを読み返してみると、ものがたりをうろ覚えで書いているので本物はどうなんだっけと、またぞろ気になって正式に読んだというわけです。
2006年4月1日のブログは
花びらが散っている季節に感傷的に思い出したんですかねえ
こんな風です。
さくらが散ってます。
地面には花びらの山ができてます。
早朝。
ひとひらの花びらは川の中へ飛んでいきました。
川の流れに身をまかせ、流れ流されて旅をしました。
黄色一面の菜の花が「こんにちわ」「こんにちわ」
小鳥が空で歌い「どこいくのー」
昼どき。
野原で牛がのんびり「モーゥ」
子供が鏡で「ピカリ、キラリ」
夕ぐれ。
海が近づきごうごうと音が。
青ざめた花びらは「あ、」と一声、沈んでいきました。
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小学校も低学年に読んだ童話。手元に本がないのでかなり創作したが。
最後のところで子供心に死をイメージしましたね。
印象深いさくらの花びらのイメージです。
日本のアンデルセンといわれた浜田廣介(ひろすけ)。他にも童話がある。いまでも読まれているのだろうか。で、さっそく「花びらのたび」から読みました。
ストーリーはもうすこし複雑でしたわよ!
花びらがもう河口近くに流れ着いて、ながく川のたびをしてきたものがたりを
河口付近の小魚に語るというしかけだったのです。
わたしが子供心に「ピカッ」と光ったところの強烈な印象だったものは
童話の中では
花びらがまだ木にいるときにうつらうつらしていて、
農作業の人が担いでくる鍬の刃がお日様にピカリと光ったのを見たのでありました。
また、花びらは川に散って、すぐに落ちたのではなく
舞散って、蝶のようだと嬉しくひらひらしているうちに
すずめにくわえられて、川まではこばれたのだと。
そんな風にものがたりは変化に富んでいました。
ま、子供の記憶なんてそんなものですね。
でも、最後、強い印象を与える大団円には違いありませんでした。
赤い太陽が、海のはてに、もえていました。海も、まぶしくもえているかとおもわれました。けれども、どれが海か、空か、花びらは、見わけることができませんでした。ただぼんやりと、ひろいところに出たことだけわかりました。そうして、そのまま、花びらは、目をとじたのであります。(84ページ)
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ところで
わたしが前にブログをアップしたのが2006年4月1日
この絵本の初版発行が2006年7月1日
いまでも読まれているのだろうか。
と言っていたわたくし、そのころ全くきがつきません、知りませんでした。
次に読んでアップする
ハルキ文庫『浜田廣介童話集』も初版発行日は2006年11月8日。
こんな偶然ってあるかしらん!!