『星の子』今村夏子
ちいちゃんは小さい頃体が弱くて、両親は育てるのに苦労したという。
湿疹で痒くて夜中に泣き止まないちいちゃん。夜泣きは続き両親は困り果て一緒泣いてしまうくらい。
父親はの会社の同僚に悩みを打ち明けたの。
そうしたらそれはお水が悪いと。聖なる「お水」を勧められ、それで身体を清め拭くといいと。
もらってきて、拭いてあげてそして何か月かが経ち、湿疹が治り、あれよあれよという間に元気になったちいちゃん。
大喜びの両親はお水のとりこになり、会からお水を買い、食料を買い、すっかり生活を会に頼るようになったのでした。
ちいちゃんの両親はいい人たちなんだけど、これはなかなか悩ましいことよね。
両親がそうでも親類やこどもたちまでが一緒に信じるとは限りません。
ちいちゃんが成長していく中で、いろいろ事件が起こります。
疑問を感じながらもお父さんとお母さんから、離れられない中学生のやさしいちいちゃんの愛と哀しみ。
と、作者の筆は滑らかに、なめらかに優しいまなざしで語っています。
そうです、傍から見ればわかりますね。そんなひとが知り合いにいるからわかるんです。
ほんとにいい人たちなんですよ。