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テーマ:本日の1冊(3696)
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読み応えありました。
様々な視点から1つの事件を追っていく展開は、宮部さんらしいですね。 読み終わって、まず感じたのは「すごく怖いな」という印象でした。 現実にこういう動機、というか考え方をする人がいたら、本当に怖いですよね。 でも、最近の変な事件のニュースを見ていると、かながちない話でもなさそうで怖いです。 その一方で、もう1つ印象的だったので、被害者の遺族です。 遺族はどういう風に事件を受け止め、どういう風に考えるのか、それをここまでしっかりと描いた作品って少ないんじゃないでしょうか。 この遺族の視点を通じて、理不尽な犯罪に対する「怒り」みたいなものを改めて感じます。 ニュースなどで、本当に短絡的で利己的な事件を見ることがありますが、その人はこんなにもひどい事をしているんだ、という自覚もなく、やってしまっているんじゃないかと感じます。 近頃の人は切れやすい、とか言われますが、それも他人の痛みが分からないから、切れやすいのかもしれないですね。 全体を通して、すごい充実の内容で、読み応えありました。 本当に犯人はつかまるのか、とハラハラしながら最後の方は一気に読みきりました。 ただちょっと長かったかな。うーん、色々な要素が詰め込まれていて、そのどれもが無駄とか余計では全然ないんですが、単純にちょっとながかったかなあ。 やっぱり文庫本3冊ぐらいまでが僕にはちょうどいいかもしれません。読むのが遅いので。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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