本読みのひとりごと

2006/11/04(土)21:19

ハッカ油の思い出

アロマ日記(57)

食べすぎたとき、飲みすぎたとき、お世話になるのはミントの精油です。 お湯を入れたカップに1滴、落としてくんくんするだけで、胸のむかつきやもたれが、すーっと楽になるのを感じます。 乗り物酔いや時差ぼけ、花粉症、虫除けにも効果てきめんなので、旅行に出かけるとき、鞄にしのばせてゆくと重宝します。 ところで「ミント」は日本語でハッカ。 一般的に流通しているペパーミント(洋種ハッカ)のほかにも、和種ハッカ、スペアミントなどさまざまな種類があります。 わたしが生まれた北海道、北見市はハッカの町。 その歴史は、戦前にさかのぼります。 今も町には記念館があって、ハッカ油(アロマテラピーふうに言うと、ミントの精油ですね)や、関連商品がたくさん手に入ります。 わたしはここで、和種ハッカの精油を買って使っています。 洋種ハッカに比べてメントール成分が多いので、すーっとする感じも強いのですが(まちがって希釈せずに肌につけると、氷で冷やしたように冷たくなります)、爽快感の中にも、どこか懐かしく、甘く、やさしい感じのする香りです。 ハッカの香りを使うたびに思い出すのは、夏に亡くなった伯父のこと。 幼いころ、乗り物酔いがひどかったわたしを気遣って、空港から祖父母の家へ向かう車の中で、いつも名産のハッカ油をたいてくれていたのです。 思えばあれが、わたしにとって人生最初のアロマテラピーだったなあ。 アロマの勉強を始めたころはそのことをすっかり忘れていて、ひさしぶりに帰った北海道でハッカの香りに再会したとき、何だかとっても嬉しかった。 いろいろな道を通っていたら、巡りめぐって、思いがけず生まれ育った場所にたどり着いた旅人のような気持ち。 わたしはたぶん、これからもずっと、ハッカの香りをかぐたびに、おじさんを、おじさんの明るい笑顔を思い出すんだろう。 さて。 あなたの好きな香りは、どんな思い出につながっていますか?

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