本読みのひとりごと

2007/09/17(月)23:50

大きな木の根元で

花嫁日記(48)

泥のようにぐっすり眠る。 こわい夢をみて目がさめたとき、隣にあたたかい大きな呼吸するかたまりがあるというのは、とても安心することだな。 パンとコーヒーで簡単な朝ごはんを食べ、結婚式や新婚旅行について話し合う。 式を挙げる冬でもあたたかい場所、という条件を考えて、新婚旅行はオーストラリアになりそうです。 ケアンズでコアラを抱いて、グリーン島で青い海に潜り、熱帯魚を見るのです。 ありきたりに思えることも大まじめにやってみるのが、結婚というしくみにおいてはとても大切。 スーパーに買い物に行って、自転車のタイヤに空気を入れてもらったり、旅行のパンフレットをもらって説明を聞いたり、お茶を飲んだり。 のんびり過ごしながらふと、この人といることは、大きな木の根元に憩うこととよく似ているなあ、と思いつく。 木陰を作るしなやかで大きな枝の下、わたしはのびのびと息をして、昼寝をしたり、本を読んだりする。 やさしく揺れる葉の間から、時折木漏れ日が落ちて、本のページやわたしの頬に光のまだら模様ができる。 ひんやりした木肌に耳をつけて、樹液の流れる音を聞いたりもする。いい気持ち にらと豆腐、豚肉でチャンプルーを作り、キムチを添えてごはんをもぐもぐ食べる。 大きな木のようなくまを見送った後、大切な人たちに手紙を何通か書いた。

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