本読みのひとりごと

2007/10/24(水)20:22

空の青さをみつめていると

読書日記(367)

早起きにも少し慣れ、朝の家事を終えてテレビを見ながらひさびさに日記など。 ここ2年くらい、一箇所に腰を落ち着けることのすくない生活をつづけていたので、荷物と暮らしがひとつにまとまって何だかほっとした。やっと落ち着いて集中できる感じ。 さあ、この場所で愉しく暮らし、どんどん読んでたくさん書くのだ。 昼間、ひとりもくもくと手を動かしていると、2、3日前にあれほど苦労して詰めた荷物を、今度はこんなに苦労してほどくなんて…と一瞬思うけれど、人生ってきっとそういうことの繰り返しなのだ。 詰める。ほどく。整理する。いらないものは捨てる。持っているものと持っていないもの、これからも持ちつづけたいものとそうでないもの、定期的に棚卸しながら、進んでゆく。  * 新しい家は広くて、台所もベランダもゆったりしていて、窓の外は静かで、空気もきれいで、とても住みやすい。 くまはやさしくて、ごはんはおいしくて、わたしは自由だ。 とても幸せだけれど、ときどき、箱の底からふいになつかしいものを引っぱり出してしまうときがある。 そんなときはベランダに出て空を見上げ、いつか教わった谷川俊太郎さんの詩を口ずさんでみる。   空の青さをみつめていると   私に帰るところがあるような気がする 62のソネットの「41」。 わたしの宝物のことばだ。   人はすべていやしい生まれなので   樹のように豊かに休むことができない わたしは樹にはなれないけれど、せめて心に屋久島の杉を抱いて、明るい空のほうへ伸びてゆこう。そうだ、言葉と共に。わたしには言葉がある。これからも、今までもずっと一緒だ。 心に決めて、あたたかい部屋の中に戻る。 鍋の湯気で、窓ガラスが曇っている。   窓があふれたものを切りとっている

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