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テーマ:好きな絵本教えて下さい(711)
カテゴリ:図書館日記
2週間前にいただいた百合が次々と花をひらいて、玄関を入ると、甘い香りが鼻をくすぐる。 百合の香りを感じると、「真白な百合が鼻の先で骨に徹(こた)えるほど匂った」という一文がかならず頭をよぎる。 夏目漱石「夢十夜」の第一夜。 * 百合がどんな花かもわからなかった4歳のころ、わたしは幼稚園のゆり組だった。 夜ねむる前、父や母に絵本を読んでもらうのが何より好きだった。 近所の図書館でお姉さんが「読み聞かせ」をしてくれるのは知っていたけれど、知らない子どもにたくさん会うのがこわくて、母にさそわれても一度も足をはこんだことがなかった。 あっという間に25年が過ぎて、人みしりのまま大きくなったわたしが、今度は子どもたちに絵本を読み聞かせる側になるなんて、想像もしなかったことだよ。 4歳のわたしに話したら、どんな顔するだろう。 読み聞かせデビューに選んだのは、この一冊。 五味太郎のしかけ絵本「きいろいのはちょうちょ」。 虫とりあみを持った男の子が、黄色いちょうちょを追いかけてページのあいだを旅します。 それぞれのページにちょうちょのかたちの穴があいていて、前のページから見ると黄色いちょうちょに見えるんだけど、実は信号だったり、ふわふわのオムレツだったり… 子どもたち、主人公の男の子と一緒に夢中でちょうちょを追いかけてくれて、ときどき「ちょうちょ!」と思わず声が出ちゃう子もいたりして。 人前で絵本を読むなんて初めてだから緊張もあったのだけど、なんだか、すごく楽しかったのです。 絵本の楽しみかた、思い出させてもらったみたいで。 さて、次はどんな絵本を読もうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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