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カテゴリ:読書日記
ジョギングの帰り、桜の樹の下を通ったら、「ブーン」とモーター音のような低い音がする。 何かと思って見上げれば、散りはじめの花に無数のハチが群がって、一心不乱に蜜を集めているのでした。 年に一度のかきいれどき、ぼーっとした人間が花を見上げようが、散歩の犬が吠えようが、大いそがしのハチは見向きもしない。 人は花を見て「きれい」とか「切ない」とか感じるけれど、ハチはきっと「おいしそう」と思うんだろうな。 春のおすすめ。 「のはらうた」 くどうなおことのはらみんな・著。 手のひらにおさまるくらいの小さな本のなかに、風やこねずみやかたつむりの歌がつまっています。 国語の教科書にも収められているので、読んだことがある人も多いかな。 声に出してゆっくり読むと、気持ちがおだやかになるのを感じます。 詩は心の万能薬。 図書館の棚の片すみで、長いこと誰にも借りられずにいたのを、飾りをつけて目立つ場所に出したら、中学校の先生がごっそり借りていってくれました。 今ごろ、どこかの教室の、春風がカーテンをふくらます窓辺で、休み時間の中学生が「かまきりりゅうじ」の詩を読んで、くすりと笑ってくれていたら、こんなにうれしいことはないなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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