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本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750@ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750@ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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2011.02.27
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カテゴリ:妊婦日記
部屋の片づけをしながら、ぱらぱらと三年前の手帳をめくり、今年のカレンダーと見くらべて「あっ」と思う。
神さまはときどき、何気ない顔をして、ぼんやりのわたしでも気づかずにいられないような奇跡を起こす。

雪解けとともに、少しずつ体も楽になってきた。
ほぼ寝たきりだったのが、調子のいいときに起き上がって家事をしたり、自宅でマタニティヨガをしたり。
24時間嵐の海で小舟に揺られている気分だったのが、バス旅行の山道くらいに感じられるように。
中の人も順調に育っているようで、真夜中、あお向けに寝ていると、おなかのあたりがむずむずして目がさめることがある。
そんなとき、思い出すのはロシアの小説「ソーネチカ」の一節。
主人公で新妻のソーネチカが、夜、ベッドの中でひとり考えごとをする場面。

「(ソーネチカは)目の前の暗闇と同じ暗がりのなかで、大きさにしてマッチの四分の一くらいの小さな手が、はじめての住みかの柔らかい壁をそっとなでているところを思い描いて、にっこりほほえんだ。」



自分の中にもうひとり別の人がいる、というのは本当にふしぎな感覚。
毎朝、目がさめるたび、「あ、おなかに人がいるんだった!」とびっくりする。

 *

月が変わったら図書館に戻る予定なので、あたたかい日には、リハビリをかねて軽い散歩をはじめています。
この間は、戌の日に合わせて、実家の父が送ってくれた水天宮の腹帯を巻き(腹帯って、思いのほか巻くのがむずかしい!)、近くの神社へお参りをしてきました。
この季節に外を歩くと、残雪のあいだから顔を出した土がぷんと薫る。春のにおい。
あちこちで、雪解け水の流れる音もする。
おなかの中にもにおいって届くんだろうか…と思いながら、いつもより余計に深呼吸する。

 *

数ヶ月ぶりに、ひとりで本屋さんにも行った。
冬のあいだ、何度かくまに連れていってもらったのだけれど、ときどきしゃがみこみながら店内を一周するのがやっと…というありさまで、気になる本を手にとったり、ページをめくって楽しんだりするゆとりはなかった。

入ってすぐの、季節の絵本をならべたコーナーの前に立ったとき、真夏の小犬が水を欲しがるみたいに、目が本をもとめているのを感じた。
「百年の家」という、ある家の歴史を美しい細密画で描いた絵本のページをめくりながら、「これ、うちの図書館にも欲しいなあ」と思い、次に、「いつか、小さい人と一緒に絵本を読む日が来るかな」と思う。
自分が赤ちゃんのおむつを換えたり、ミルクを飲ませたりしているすがたはうまく想像できないのに、その日のことを考えると、わくわくして鼻血が出そうになる。
この人が、わたしにあたらしい夢を連れてきてくれた。







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Last updated  2011.02.27 15:39:02
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