この世で一番おもしろいミクロ経済学 ヨラム・バウマン ×
軽く感想だけ書くことにします。
10年ぐらい前に出た本です。
これも本棚にずっとしまっていたので改めて読み返しました。
漫画、というかイラストを使ってミクロ経済学を直感的に平易に理解できるようにした本です。
超入門書といったところで、大学新入生のミクロ経済学の最初のガイダンスに使うようなレベルの本だと思います。
恐らく一般の社会人にとってはかなり物足りない本だと思います。
ミクロ経済学というのはまず個人に着目し、それから数人→多数の個人による競争市場でのやり取りに着目する経済学です。
ゲーム理論とか非対称性の理論とか大数の法則などを平易に解説していますが深くは学習できません。
しかしそれでも、自分が勉強になったと思ったところはありましたので以下に少し書きます。
税金が競争市場にどう影響するか
税金を売り手が負担するか、買い手が負担するのかは需要と供給で決まる。
例えば、60円の税金を売り手側にかけると、供給は減る。
逆に、買い手に60円の税金をかけたら、需要が減る。
供給が減ると供給曲線が左にシフトして、需要が減ると需要曲線が左にシフトする。
供給曲線と需要曲線についてはネットで検索してみてください。
リッター100円で市場価格が落ち着いているガソリンがあるとする。
そこに売り手に60円の税金をかけると、供給曲線は左にシフトする。
100円のガソリンに60円の税金を払ったら全然手元に残らないから、売り手は以前より売りたくないと思ってしまう。
売り手は以前の利益を確保するために、本来であれば160円で売りたいと思いますよね。
でもその価格では高すぎて買い手がつかない。
最終的には100円と160円の間の価格(例えば140円とか)に落ち着いてしまう。
この時、売り手の手元には80円が残る。
ということは売り手が負担するはずの税金の一部を買い手にも負担をさせているということ。
これが買い手に税負担をさせる逆のパターンでも同じことが言える。
結局どちらに税負担をさせるかというのは問題ではなく、市場原理により税の配分が決まってしまうということ。
この本は漫画風になっていますが翻訳物なので、アメリカンユーモアで描かれています。
楽しそうに描いているんだけど、日本人的感覚からしたらユーモアの部分であまり楽しめないかもしれません。
1時間ぐらいで読了できるので、経済全く初心者の若年層の方々は是非読んで見るのもいいと思います。
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