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カテゴリ:ノンフィクション
杉浦日向子
『一日江戸人』 新潮文庫 NHK「お江戸でござる」の解説で有名な杉浦日向子さんによる、実用的な江戸解説書。 江戸時代が好きでもっとよく知りたいが、お堅い本はいやだという方にお薦めの一冊。浮世絵がバックボーンとなっている軽妙なイラストが楽しい。 あくせく働くのが当たり前の現代。のんびりなんてしていられない。まかり間違ってニートやフリーターになれば「下流」として負け組みのレッテルを貼られてしまう。 が、人間ならば怠けたい、のんびりしたいという願望は持っているのではないだろうか。しかし、それではいけないと自制する分別も持っている。その隙間で揺れ動くのが現代人の特徴だと私は勝手に思っている。 そんな現代を生きる我々が、「月のうち半分も働けば、十分に女房子供を養え」る、という江戸時代にあこがれるのはごく自然なことだろう。自然の中で気ままに生きる。働くときはバリバリ働く。そして風流で粋な文化があちらこちらで競い合う。江戸時代のいき方こそ、いま流行のロハスなライフスタイルの見本だ。 現代において何から何まで江戸流で生きていくことは不可能だ。けれども、そのエッセンスを幾つか取り入れ気分だけでも、優雅なちょい江戸ライフが味わえるだろう。 本書には「あっという間にできる!!江戸前簡単特選肴」のレシピなど役に立つイラストが盛りだくさん。気取らない江戸町ぐらしの豆知識本として実に素晴らしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.09 14:09:07
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