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2006.03.11
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カテゴリ:教養・実用
渡辺京二
『逝きし世の面影』
平凡社ライブラリー

逝きし世の面影

江戸末期、明治初頭の日本に訪れた外国人から見た日本の様子を紹介し、失われた日本文明の実態を探る。

現代日本につながる近代日本の歩みの出発点としてわかりやすいのはやはり、開国と文明開化だろう。日本の政治、社会、文化、その他あらゆるものが一新された明治維新は、もちろんいきなりおきたものではなく、江戸時代の着実で地道な努力の積み重ねがあったからこそのものであり、単に西洋との接触によりただ一朝一夕になされたものではない。しかし、文明開化すなわち近代化、欧化主義は、江戸時代まで脈々と続いてきた日本文明の終焉を意味するものでもあったといえそうである。だからこそ、現代の日本や近代日本の歩みをより理解するためには、江戸末期から明治初頭にかけての日本を理解する必要があるのではないだろうか。

異邦人による日本見聞記を美化された幻想として否認することの愚かしさを著者は繰り返す。まあ、私の場合その恐れは少ないが、逆に日本人にとって不都合な外国人の記述から目を逸らしてはいけないと自戒しながら本書を読んだ。
わりと耳が痛いような辛らつなことも一部書かれているが否定できないことで、それを少々残念に思った。そして、それを残念に思うこと自体、私が過去の日本文明に属していた日本人の思考とは異なる、近代以降の日本人である証左なのだと気付き、苦笑いさせられた。
とはいっても、基本的に西洋文明からの訪問たちは、日本文明を照れくさくなるほど高く評価している。その素晴らしい日本文明がどの程度、現代日本に受け継がれているのかと思うと本当に残念である。
また、敗戦、昨今のますます加速するグローバリズムの風潮は、現代日本をかつての日本文明との継続性をさらに希薄なものとしていく。とはいえ、現代日本のあちらこちらに在りし日のこの国の文明の面影を見ることができる。画一化、均質化のグローバル化の時代にこそ、日本とは何か、日本人とは何かということをじっくりと考えたいものである。





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Last updated  2006.03.12 00:09:07
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