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カテゴリ:ノンフィクション
坪内祐三
『靖国』 新潮文庫 建立当初の靖国神社(東京招魂社)の様子や、それを取り巻く明治日本の空気を、数々の資料から探る。 京都に住む私にとって靖国神社は物理的に遠い。また、昭和59年生まれの私にとっては精神的にも遠い存在である。靖国神社への関心はそれなりに持ってはいたものの、正直なところ恥ずかしながら、靖国神社についてのあまり勉強してこなかった。 たまたま大学の友人たちと、この夏に靖国神社に参拝に行こうという話しになったので、靖国神社関係の本を数冊買った。この坪内祐三の『靖国』と、上坂冬子の『戦争を知らない人のための靖国問題』と、宝島別冊の『ニッポン人なら読んでおきたい靖国神社の本』の三冊である。買ったのは昨日。明日の夜行バスで東京に向かうのでそれまでに読まねばならぬ。 この坪内祐三の『靖国』では、靖国神社を日本の近代化を象徴するモダンなスポットとして捉える。本書で提示される、その時代時代の最先端を取り入れたハイカラな空間としての靖国像から見えてくるイメージは、明るく賑やかな場所であった。 イデオロギーや政治・外交上、あるいは宗教の観点から靖国神社を論じる本が多い中で、靖国神社が明治・大正期の日本人にどのようなメッセージを発していたのか、明治・大正期の日本人が靖国神社に何を感じていたのかをメインに論じているというのが、この本の面白さである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.12 02:15:05
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