パパの涙
今夜テレビで盲導犬の話をしていたらパパが突然泣き出した。『可愛そう・・・可愛そうだ・・・』と・・・その話は、盲導犬と共に暮らしていた女性の話で、その盲導犬が僅か6歳で亡くなってしまい2代目の盲導犬が初代の弟だったという感動のSTORYだった。私もパパもウルウルではあったが、こんなにパパが涙するのは珍しい。可愛そう・・・という言葉の底には様々な要因が隠されているのを私はなんとなく理解出来たが主人は私が想像する以上にデリケートな人間なんだと改めて感じさせられた。盲導犬のストレスは相当の物で、ある意味人間のエゴで盲導犬にさせられているという認識を持っている人も居るようだが、主人も『癌で亡くなるなんて・・・盲導犬にならなかったらあの子は死なずにすんだかもしれないのに・・・』と泣きじゃくっていた。私は『献身的なワンちゃんは人間に尽くす事が喜びと感じる子もいると聞くので人間のエゴだけじゃなく犬は犬なりに生きがいを感じていたんだと思うよ』と言って慰めた。うちの主人は、生きとし生けるものの本質を真剣に考える傾向が強く、私には計り知れない概念で物事を突き詰める傾向がある。時に辛辣でありながらも、主人の考えに対して最後にいつも感じるのは『そうかもしれない・・・』という納得であった。今回、丁度、私達の子供について二人で意見交換した直後だった為、ひとつの命に対しての主人の考えが伝わってきて余計に辛かった。と同時に、いつもに増して『私はいい人と結婚したなぁ』とつくづく感じた。