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カテゴリ:歴史
![]() 講談社現代新書は、表紙がかわってしまい、すっかり読まなくなった。 なんだか、右翼・保守などでは、評判高い本らしい。 ひさしぶりに買ってみた。 むかし書いた「東アジア大陸の民族」 (『民族の世界史』山川出版社、1983年)。 その「完全版」というふれこみらしい。 読んでみたけど、ホントに酷い入門書ですわ、これは。 そこかしこに、誤字脱字があるわ、地図が全然役に立たないわ。 さすがに、こんなの山川出版社から出せるはずがない。 だから、「民族」部分以外の、今回出版するにあたって新たに手を加えた、 中国本体関連「のみ」がひどいに違いない。 わたしには、民族部分もおかしいように感じられるのだが、、、 ともかく、細かい史実は間違いだらけ。とくに、明朝とか、、、 こんなもの、よく出す気になったもんだと、ほとほとあきれてしまう。 唐宋変革や、明清変革に触れない入門書など、 おそらく前代未聞の珍事だろう。 老人の白昼夢に近い。 てか、岡田歴史学が何をさすか不明。 岡田の新しさがどこに「あったのか」すら、よく分からない。 大清仏教帝国論絡み以外、示唆されるような内容は、どこにもなかった。 言語絡みの議論は面白いけど、本人のオリジナルともおもえないしなあ。 たしかに「でかい」ことはかかれてます。 宮崎市定の時代なら、実証抜きで大きなことを言うのは認められていました。 しかし、今そんなことやったら、プロパーに袋叩きされるに決まってます。 だって、誰だって実証抜きならどんなことでも言えるんだもん。 読んでみてわかったが、こりゃ相手にされないのも無理はない。 こんなの読むくらいなら、足立啓二や、モンゴルでは杉山正明をよむべき。 朝貢システムから近代への移行なら、茂木敏夫、浜下武志、岡本隆司。 これらを読んだ方が絶対いい。 はるかに知的にスリリングですもん。 入門書には、寺田隆信『物語 中国の歴史』中公新書などがいいでしょう。 悪貨は良貨を駆逐する。 こんな入門書を出すのは、マジメに勘弁して欲しい。 講談社現代新書。 瀟洒というか、ハイソな雰囲気を醸しだしていた、あの表紙の頃がなつかしい。 内容は、あれで随分カバーされていたのに、ホント惜しいなあ、、、 こんな内容でも出さなければならない所をみると、 やっぱり経営が危ないのでしょうか。 評価 ★ 価格: ¥777 (税込) 人気ランキング順位 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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