|
カテゴリ:サブカル・小説・映画
![]() 3年間、音沙汰なし。 出版されていたことさえ、知らなんだ。 ごめんなさい、森岡先生。 おいら、その存在そのものを忘れていました。 そのブランクのためか、読んでもちっとも分かんない。 3巻を読み直す羽目に。 2度手間… 豪華絢爛たるスペースオペラ。 アーヴ種族と人類の共存は崩れた!! 「アーヴの人類帝国」VS「三カ国連合」。覇権をかけた星間戦争の決着は! ラフィールの弟もちょっと活躍!!帝国は大ピンチ!! 5巻を乞うご期待!! … … 本当にこの調子で終れるのか? 永野護『F・S・S』(ファイブ・スター)化してない???これ… この作品の面白さは、SFにあるのではない、とおもう。たぶん。 人間の関係性の描写。彼の他作品とくらべても、この部分が抜群にいい。 最近、読んでないので断言できないけど。 そもそも種族を異にしている二人。 女帝の孫、王女ラフィールと、父親が故郷の惑星をアーヴに売り渡したため、 アーヴ貴族に叙せられたジント。 男女二人の恋? 否!ちょっと違う。 たえず皇帝を目指し修練するラフィールと、その役にたちたいジント。 恋に回収されることのない「敬意」からでてくる、二人の間の微妙な距離感。 彼女はどこまで飛翔することができるのだろう。 功績をあげ、その美しい姿のまま彼女が帝位につくとき、 ジントは老いさらばえている。恋を断念していながら、なお揺れるジント。 ただ上をめざしているラフィールが、庇護者のつもりで彼に振舞う好意。 この2つのすれ違いの残酷さが、たまらなく心地よい。 ほかにも、アーヴ種族の描写もいいとおもう。 アーヴ種族は、秩序に逆らえない。上下の規律は厳しい。反逆もない。 アーヴ種族は、かれらの帝国に無条件に自己を一体化させています。 しかし、その毒舌は上司にむけて見まわれています。毒舌は親愛の証? こんな不思議なアーヴ種族の生態を、 ソフトにせずゴツゴツとした肌触りのまま、切り出してきてくれます。 スペースオペラとしては、隔絶した質をもちえている、とおもう。 さまざまなSF設定など、フェイクにすぎないとおもう。 アーヴ種族がどこまで活写されぬけるか。 思わず、そこに関心をもってしまう。 R・A・ハインライン『宇宙の戦士』は、 国家と個人によこたわる不透明性を「戦士」の共同体でのりこえようとする、 SF史上屈指の意欲的な作品でした。 「アーヴの人類帝国」にみられた「透明」な共同体は、 ただの種族の遺伝子で終ってしまうのか。 その辺を楽しみにこれからも読んでみたいとかんがえています。 評価 ★★★ 価格: ¥546 (税込) 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[サブカル・小説・映画] カテゴリの最新記事
|