|
カテゴリ:スポーツ・ゲーム
![]() ![]() ![]() ![]() ▼ W杯は、イタリアの優勝とともに幕を下ろした。終わってから1週間になるけど、ひるむことなく、よしなしごとを書いてみたい。 ▼ 82年W杯以降、優勝できなかったのは、タルデリとコンティの後継者に欠けているためではないか?という日記を書いてしまいながらの、イタリアの優勝である。イタリアは、長年応援していたチーム。準決勝の時点では、「イタリア以外のチームが優勝するのは、W杯への侮辱だろう」とさえ思っていた。だから優勝はとても嬉しいのだが、微妙に違和感が残る。82年と比較すると、マテラッツィがジェンティーレ役、カンナバーロがシレア役といった所。カンナバーロ、ブッフォンの超人的守備には、驚愕するしかありません。ランパード、ロナウジーニョが大失速した以上、エトーと並んでバロン・ドール、FIFA年間最優秀選手が狙える位置につけているとも思うのだが、どうだろう。ブッフォンになっちゃうのかなあ… ▼ マルコ・タルデリ役をこなしたのは、結局、ローマのペロッタでしょう。不十分ながら、攻守にダイナミックに動いていて素晴らしかった。ただ、不世出の右ウイング、コンティ役がおらず、華が欠けた印象が否めない。ボールキープ力で相手を圧倒するポゼッション・サッカーを繰り広げながら、ジダン退場劇のマテラッツィの悪行のみ、クローズアップ。ダーティヒーローの役回りしか与えられなかったのは、そのためでしょう。 ▼ 今回、優勝するに足る人材をもったチームが、志半ばで去っていった。とても残念におもう。94年W杯以降、常々感じるのだが、アルゼンチンは中盤に人がいない。ボランチ・攻撃的MFの人材は、帯に短し、襷に長し。ベロンも、リケルメも、アルメイダも、カンビアッソも、すごくいい選手だけど、イマイチ迫力に欠けるんだよなー。断言してもいいが、リオネル・メッシクラスの身長の選手を揃えている限り、アルゼンチンに優勝は訪れないだろう。ブラジルは、順当負け。イングランドは、監督負け。オランダは、そもそも若すぎた。ドイツは、機能的な中盤の反面、理不尽なゲルマン魂が姿を消してしまった感じで、順当に負けてしまった。日本代表については、mocokoさんのブログでほとんど言われてしまっているので、あらためて言うことはない。「日本代表は大和魂を発露させよ!」「大和魂をなくしてしまった日本!」とか騒いでいたアホ右翼がいたが、無策のままいさぎよく散ってしまったことは、大和魂の発揮以外の何者でもあるまい。 ▼ 相変わらず、日本人のさもしい根性には、嫌気がさす。むろん、韓国のトーゴ戦勝利を喜ばない、それどころかクサしてしまう、ゲスな根性のことだ。マスコミが好意的にとりあげたため、「マスコミは、日本の勝利よりも、韓国の勝利を喜んでいる」「また審判を買収したか」など、またしても周囲から、意味不明なやっかみを聞かされてしまった。てか、いい加減、韓国はアジアサッカーの犯罪者・加害者であり、韓国のW杯勝利は、アジアサッカーへの贖罪である、という風に捉えればいいじゃん。ドーハの悲劇は、武田が時間稼ぎをしなかったためでも、オフトが試合を壊すことを教えなかったためではない。あり体にいえば、韓国が弱かったから。「アジア枠が2」しかなかったから、にすぎない。 ▼ 1954年、W杯スイス大会で、ハンガリーに「0-9」、トルコに「0-7」。当時のトルコに7点差負けだぞ? 「W杯にわざわざサッカーを学びに来る必要はない」と酷評されたのが、韓国チーム。62年チリ大会では、南米・ヨーロッパ以外、アジア・アフリカ諸国が本大会に進出できなかったのはまだいい。58年スウェーデン大会では、イスラエルが韓国を倒して本大会出場権をえたのに、急遽FIFAは、ウェールズとプレーオフさせて剥奪するという、信じがたいアンフェアがおこなわれたのである。今も続く、FIFAのアジア・アフリカ諸国軽視。その一端は、スイスW杯の韓国の不甲斐なさにあるのだ。「贖罪の一環」だと思えば、別に腹が立つこともないだろう。日本が出ても結果は似たようなもんだし、所詮、現実逃避の慰めにしかならないのだが。 ▼ そんでもって、中田英寿の引退である。 ▼ あまりにも「いろいろ語られ」尽くしたこのニュース。その批評のバリエーションも、ある程度決まっていて、読む気がしないくらい。誰も言わない領域から中田引退を語るとなれば、「やおいと中田英寿」しかあるまい。そういえば、俺って「やおい変換」「腐女子妄想」できるしな…ということでやってみた。 ▼ やってみた…。 ▼ やってみた…。 ▼ ダメだった。 ▼ この敗因(?)は、一体、何に起因するのだろう…って、冷静に考えてみると、カップリングが思いつかないことに尽きてしまう。そういえば昔、「中田英寿×城彰二」のやおい本があった記憶があるけど、それって「ジョホールバルの奇跡」の頃、あったにすぎないよなあ…… 今更「中田英寿×川口能活」というのも、とても「ケンコジか!コジケンか!!」に類するバトルには、なりそうもない。中田英寿は、カップリングの対象がない位、隔絶した位置にいたんだなあ… あらためて驚嘆してしまう次第。稲本潤一や小野伸二などの99年ワールドユース組とは、存在のあり方がまるでちがう。 ▼ そういえば、2002年日韓ワールドカップのとき、中国の某夕刊紙で「W杯、不細工ベストイレブン」という特集が組まれていた。スペインの闘将カルレス・プジョールと並んで、堂々ランクインしていたのが、なにあろう、わが日本代表、稲本潤一である。曰く、「日本人は彼をハンサムだと思っているが、世界的に見ればどうみても不細工の部類に入る」。稲本潤一をハンサムと感じるのは、ひょっとしたら「やおい」に犯された人間、「やおい」的感性なのではないか ……… なによりも、中田英寿には無理でも稲本潤一なら腐女子妄想ができる、この私が言うのだ。おそらく、間違いあるまい。嫌だなあ…… ▼ 閑話休題 ▼ 結局、このW杯は、「ジダンが決勝で退場したW杯」として、記憶されてしまうのだろう。前回のW杯が「誤審のW杯」としか記憶されなかったように。 ▼ こんな語られ方が横行してしまうのは、試合自体にあまり魅力がなかったからではないか。欧州のクラブチームこそ最先端、代表チームは組織力・熟成という点でクラブチームより劣るから ……… 。あまり言われていないようだが、今回のイタリアの優勝は、90年イタリア大会のドイツ以来、16年ぶりの純正白人チームの優勝でもある。今回のW杯とは、「テルミドールの反動」であったことはあまりにも明らかだ。 ▼ 美しきブラジルサッカー。それは、黒人の技術や身体能力をサッカーに初めて導入した、「世界最初のブラックパワー」であったことと無縁ではない。ブラジル以外、黒人を主体とした強豪といえる代表チームは、長らく存在しなかった。美しきブラジルの神話。88年オランダ、98年のフランスがそれに続いた。魅力的なサッカーには、黒人は欠かせない。今回、ひどく退屈にみえたのは、存外、そんな所に原因があるのかもしれない。2010年W杯は、南アフリカで開催される。魅力的なサッカーの復権が見られるのではないか? ▼ よしなしごとを書き連ねてきた。ここまで読まれた方、ご静聴ありがとうございました。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[スポーツ・ゲーム] カテゴリの最新記事
|