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書評日記  パペッティア通信

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Nov 13, 2007
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カテゴリ:スポーツ・ゲーム



▼     稲尾和久が死んだ。 信じられない。 


▼     親父が西鉄ファンだった。 親父はいつも西鉄の話をしてくれた。 神様、仏様、稲尾様。 プロ野球最高の選手。 金田正一なんて、自分が調子がいいときにしか投げなかった。 稲尾は調子が悪くても投げたんだ。 チームを一人で優勝させ、大舞台に強くて、記録に残るスーパースターだった。 いつも夜飯のとき、酒を飲みながら語るのだった。 たぶん、息子を野球選手にしたかったはずだ。 不肖の息子になってしまったけれど。


▼     今でも西鉄水爆打線の打順をいえる。 南海400フィートも。 大毎ミサイル打線も。 『こち亀』の「光の球場」東京スタジアムの話のとき、本来なら葛城隆雄のポジションに両さんの思い出の選手が入れられていることに気付いた人間は、たぶん、僕だけだと思う。  


▼     今はなき平和台球場で、ロッテ監督時代の稲尾和久をみたよ。 周りはみんなロッテファンだった。 それなのに、阪急との首位攻防戦なのに、ロッテが負けた試合なのに、みんな試合なんてどうでもよかった。 みんな「おらが稲尾」の姿を見に来ていた。 あの雰囲気は本当に忘れられない。 


▼     ダイエーホークスが福岡にきたとき、親父も伯父さんも、一様に微妙だった。 なんで、西鉄と鎬を削った南海が…。 喜びと不満がないまぜだった。 優勝したシーズン、毎日スクラップを作っていたという伯父さん。 ソフトバンクホークス一色に染めあげられたかのようにみえる福岡。 それでも、西鉄ファンにとっては、ダイエーは代替物ではなかっただろう。   


▼     豊田泰光も、もう74歳なんだね。 『サンデー毎日』に「豪打一筆」を書いていた頃なんて、40代半ばだったのに。 梶本も、大杉も、杉浦も死んだ。 王も死んでしまうのか。 もう嫌だよ。 次はだれが死ぬのか。 山本浩二が死んだ日には、自分がどうなるのか、分らない。 パ・リーグに、「稲尾賞」がないなんて、パ・リーグ最大、否、プロ野球最大の偉人への侮辱ではないのか。


▼     とりあえず、喪に服したい。 


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Last updated  Apr 18, 2012 09:03:29 PM
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