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テーマ:ニュース(100406)
カテゴリ:経済
▼ いやあ、民主党がやってくれました。民主党が日銀総裁人事を否定してくださいました。 選挙で1票入れた価値がありました。 メデタイ、メデタイ。 ▼ いろんな番組見たけれど、所詮、金融市場を知らない与党議員が、日銀総裁人事が通らねば、日本経済が破滅に向かう!!!!と、自民党お得意の「死ぬ死ぬ詐欺」 をやっていただけだった。 知らないなら出てくんなよ、テレビに。 ▼ 「知らない奴」は、たいてい、「抽象的」な議論(武藤氏は経験がある!!!)と専門用語の羅列(サブプライム云々)に逃げ込んでしまう。 ブログをご覧の皆さんが、詭弁を判定したい際、気をつけてほしい。 ▼ 今回の自民党の敗因は、メディアではまったく言われていないが、明らかに、白川方明氏を副総裁にしてしまったこと、にある。 ▼ 金融市場を知らない人のため解説しておくと、サブプライムなど、どんなに珍奇な専門タームが並べられても、金融危機がおこるのは、たった一つの理由しかない。 「流動性(≒貨幣)の供給不足」 これだけ。 そして中央銀行のやれる対策も、「流動性の無制限供給」。 実際、これだけのことしか、日銀はやれないんだよ。 ▼ そして、日銀実務の観点からみれば、この流動性の供給をどのように行うかが、腕の見せ所なんだ。 経験と判断力が問われる。 無制限供給は、モラルハザードなどがあるため、政治的に問題になりやすい。 だから、基準が必要になる。 「基準」をどう設定するか。 そして「経路」をどうするか。 そして、実施するための「政治力」が欠かせない。 ▼ 日銀は、短期金融市場(コール)と長期金融市場(債権)を通して、各種実物市場に潤沢に資金を供給しているのだが、「不動産」「商品」「株式」「金融商品」「外国為替」……のどのルートに資金が流れるかは、かなり、「中央銀行総裁の腕次第」の側面が強い。 総裁も、市場との対話や、しばしば強権的な運営によって、資金誘導をおこなう。 ▼ バブル期、日銀と自民党政権は、不動産に総量規制を実施して、壊滅的な日本経済の破滅をもたらした。 グリーンスパンが天才的だったのは、金融危機がくるたびごとに、的確に資金を供給するだけでなく、次々とミニバブルを作って破綻を先送りさせたことにある。 今では、化けの皮がはがれてしまったが。 ▼ 伊吹文明「死人に口なし」幹事長が言うような、たった5年の副総裁在任中に、武藤が「手腕」を習得できるはずがないだろう。 伊吹の言う通りなら、入行6年以降の、30歳代の日銀職員は、みんな、日銀総裁有資格者じゃないか(爆笑)。 実際は、全部、福井と日銀出身理事たちが、やっていたのである。 武藤は、政治家たちの根回しをしていたにすぎない。 そして、白川副総裁を選定した時点で、そのカラクリは、見る人がみれば、あきらかであった。 よくも、こんな珍妙な人事を選定したもんだ。 たぶん、政府自民党は、武藤本人に金融政策のカジ取りを任せるのが、よほど心配だったんだろうよ。 ▼ 結局、武藤が日銀総裁になっても、実務を仕切るのは白川副総裁、と云うのがミエミエのこの人事。 所詮、白川路線のチェック役の伊藤隆敏以上に、何のため武藤が必要なのか、さっぱり分からなかった。 大蔵省をバックにした政治力? 政府への用心棒役か? 所詮、御用エコノミストたちがどんなに武藤総裁賛成を述べようと、武藤総裁人事が不同意にされて、白川副総裁だけ同意されるのは、あまりにも明らかだったのだ。 個人的には、伊藤副総裁の人事には賛成だったから、武藤の巻き添えを喰ったのは残念だけど。 ▼ 日銀総裁代行は、白川が就任するだろう。 たとえ武藤が総裁になっても、仕切るのは白川なんだから、実質的には何もかわらない。 武藤という余分な重しがない分、自由に手腕がふるえるというものである。 むしろ、どうして、「統制される側」に属する市中金融機関出身者が、総裁・副総裁候補の3人の中にいないのか? こちらの方では、厳しく批判する記事がまったく出ていなかった。 大変疑問な論調である。 ▼ 今回は、朝日・毎日を含めて、主要全国紙の社説ほとんどが、政治部記者執筆による「武藤総裁容認論」をわめきたて、政府自民党との癒着ぶりを鮮明にしていた。 日経をのそけば、まともな経済方面からの論評は、皆無だったといってよい。 全国紙の編集委員こそ、反省しなければならない。 ▼ 政府自民党は、無駄なことはやめて、さっさと別の人間を日銀総裁にすえるべきだ。 ← 自民党は下野しろ!と思った方は、1クリック! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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