背中で語る。
みなさんお元気ですか。私はあんまり元気じゃありません(あっ)。なんつーか、人の悪意というのはとどまる事を知らないなあ…というのを、日々しみじみと思い知らされております。こっちが強くなったら強くなったぶんだけ、強い力でねじ伏せようとするその意気や良し…などと言っている場合ではなく、今日はだ~いぶ疲れました…。昨夜、『ジャンクSPORTS』を観ていたら、森アナウンサーが出演していました。森アナウンサーと言えば、W杯ポーランド戦の「それでは勝ちました~」。案の定、そのネタで突っ込まれておりましたが、その証拠VTR(?)の中で、ファイナルセットのマッチポイントで、見事ブロード攻撃をキメた吉原知子選手が、顔をくしゃくしゃにして笑っていたのを、ひどく懐かしい思いで観ました。あれからもう一年半も経つのか…。私が、あのチームに魅了されたときから、もう一年半経つのか。もう今は無くなってしまった、あのチーム。周知のとおり、“吉原キャプテン”は、文字通り背中で語り、自分が先頭を走ることでみんなを引っ張ったキャプテンです。いつでもどんな時でも、彼女が先頭を走ったから、若い選手たちも走り続けることができた。先頭を走りつづける彼女の言葉だから、若い選手たちの胸に重く響いた。『率先垂範』という言葉がありますが、実際そうするのはとても困難です。困難だからこそ、この言葉が生まれたのだろうと思います。それなのに、それをやりぬいた彼女の心の強さは、敬服なんて言葉じゃ言い表せないものがあるでしょう。逆に、“走らない”人間の言葉は、たとえそれがどんなに立派な言葉であっても、心には響かないものなんですね。一緒に走ってくれれば、きっと頑張って走りぬく。でも、自分は走らず昼寝をしている人間のために、一体誰が走ろうと思うでしょうか。彼らは、私に彼らのために走れ、と言います。でも私はそうする気はありません。私は、私のために走ります。吉原知子という人を、あのチームを知っていて良かった。“背中で教える”ということがどういうことなのか、知っていて良かった。しみじみ、そう思う毎日です。