テーマ:保育園のこと(731)
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『たっちゃんは、じへいしょう』という絵本がある。
もし、本屋で見かけたら、ひらいて読んでみてほしい。 そして、「自閉症」のことを、少しでも一般の方に理解してほしい、と思う。 昨夜から、『光とともに・・・』という連続TVドラマが始まった。 私たちのような、いわば「現場」に居る者にとっては、心底胸が痛くなるようなドラマで、今朝職場に出勤して、まるで合言葉のように、先生達の口をついて出たのは、「昨日のドラマ観た?」だった。 だって、うちの幼稚園にも、自閉症の子がいるから。 まだきちんと「自閉症」として認定はされていないし、保護者の方も、そう、まるで、昨日のドラマの中の夫婦のように、「この子はきっと、他の子よりちょっと遅れているだけ」と思っているから。 ついこの間入園してきたばかりの、3歳のその男の子に、2月の「入園準備会」で初めて会ったその日から、私たちには彼が紛れもなく「自閉症児」だということがわかってしまった。入園して1週間が経ったけれど、彼はドラマの中の子がそうだったように、「自閉症」であるすべての要素を満たしていて、そして私たちは、これから彼の母親に、「目を背けず、すべてを知らなければならない」ということを知らせなければならない。 母親が、ドラマの中の母親がそうだったように、どれほど苦しむか、悲しむか、悩むか・・・。それを考えると、本当に気が重い。 でも、一番辛いのは彼自身。そして、彼を支える家族。 それを一番に考えて、これから接していきたいな、と思う。 以前やっていたドキュメンタリー番組の街頭インタビューの「自閉症を知ってますか?」という問いの答えの多くは、「うつ病」、「引きこもり」といったものだった。 それだけ知られていないんだなあ、とその時思った。 自閉症は、病気ではなく、脳障害。 他の障害の多くがそうであるように、軽度から重度まで、ケースバイケース、その子によってさまざまだ。病気ではなく障害ではあるけれど、あらわれる症状も、その子によってさまざま。 病気ではなく障害だから、治ることはないけれど、訓練その他で、自閉症でない人と同じような生活を送れるようになるのは難しいことじゃない。 自閉症の子は、他の人とコミュニケーションを図る事が難しい。 目線が合わない。会話ができない。 自閉症の子は、「多動」つまり、よく動き回る。じっとしていられないことが多い。 行動がパターン化する。毎日毎日、同じ行動パターンを繰り返す。 ある一定のものに対して、ものすごいこだわりを示す。その「もの」は、石ころだったり、花柄のハンカチだったり、それもさまざま。 そして、その「行動パターン」や「こだわりのもの」が成されないとき、失われた時、彼らは酷いパニック状態に陥ってしまう。 奇声をあげ、頭を壁に打ち付けるなどの「自傷行為」に陥る。 「自閉症」といってもいろいろあって、「高機能自閉症」と呼ばれるものもあるし、アスペルガー症候群というのもある。知的障害を一緒に持っている場合もある。 でも、概して言えるのは、彼らは「人とうまくかかわることが出来ない」ということ。 そしてなぜか、自閉症の子のほとんどが、とてもきれいな顔を、目をしている。そう、まるで天使のような。 でも。 我が子が自閉症だったから、といって、どうか絶望しないでほしい、と思う。 誰にだってこだわりはあるし、誰にだって「毎日したい行動パターン」はある。訊かれたことに答えたくない事だってたくさんある。 自閉症の子は、それが人よりほんのちょっと多いだけ。 そして、それを少なくするための方法や、それを少なくするためにお母さんやお父さんを手伝ってくれる人は、周りにたくさんいる。 「それ」から目を背けている時間が長ければ長いほど、彼らの「それ」はどんどん増えつづけ、減らしていくことが難しくなる。 どうか、目をそらさずに、受け入れてほしい。 お父さんお母さんだけが悩むんじゃなく、私たちも一緒に悩むから。考えるから。 自閉症は脳の障害で、なんといっても「脳」だから、いまだに解明されていないことの方が多い。 でも、これだけは確かなこと。 昨日のドラマでも言っていたけれど、自閉症は、先天性の障害で、決して「お母さんの育て方が悪かったから」といってなるものではありません。 今も悩んでいるお母さん方のために、一般の方々にも、これだけはわかってほしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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