2005/05/11(水)03:10
映画『LUCIE AUBRAC』
* 今日の雑感 *
先週末、ウチの日系団体の掃除婦さんが 仕事を辞めると 私に言った。
彼女は35歳前後という若さにもかかわらず、8人の子持ち、そして既に孫までもいるという、失業中の夫をも支える一家の大黒柱。
その彼女が、前々からもっと給料のいい仕事に尽きたいと漏らしていたのを知っていたから、私も一緒に喜んでいた。
そこに通りかかった常連のオバサン、
「あなた、ここから出るんですってね・・。」
「そうなのよー。」(掃除婦さん、嬉しそうに)
「どうするのー!!困るじゃない!!ダメよ、辞めちゃ。」
「トイレもすぐに汚れちゃうわよ。誰が掃除するのよ!!もう。」
最初は「困る」と言う言葉も、冗談かと思っていたが、実は本気で怒っていたのだった。
そのオバサンも 彼女が大家族を支えていて、生活に困っていることも知っているはず。
びっくりして、唖然と見ていると、掃除婦さん、
「大丈夫ヨン!新しい仕事は昼までだから、午後はこっちに来て掃除してあげるから。」
おおー、すごいわ。なんて献身的なの!!あ、でも彼女は少しでもお金が必要だから、お金のためにかしら?なんて、勝手に想像していたのだが、さて翌週・・・。
・・・・掃除婦さん、全然現れないではないの!
その場しのぎ?口からでまかせ?
ほーんと、言葉の重みってものを分かってないのか、調子がいいのか、自分勝手なブラジル人が多すぎる・・。
何年たっても、びっくりすることばかりが起きるのが、ここブラジルなのです・・・。
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映画『LUCIE AUBRAC』
監督:クロード・ベリ
出演:キャロル・ブーケ、ダニエル・オートュイユ
1996年/フランス
<内容>
第二大戦中ナチス・ドイツに占領されてフランス・リオンで、レジスタンスの夫をゲシュタポに捕らえられたリュシー・オブラック。夫の救出を企て、翻弄した実在の女性の話。
この映画では戦時中という背景で 強く結びついている夫妻の愛を描いている。
夫が捕らえられ、妻のリュシーは悲観にくれるだけでなく、なんとか救出しようと、作戦を練り、実行してしまう。非情なドイツの軍人の前でもひるむことなく、堂々と渡り合う強さとしたたかさには脱帽!である。
女性ながらではの情にかられて涙したり、泣きついたりという手は使わず、始終計算高く冷静なところがすごい。
これぞ、本当の愛である!「愛しているから、命を懸けて愛しい人を守る」という、甘いだけではない、本当の愛。
命を懸けるからには失敗は許されない。命をかけている自分によって感情的にはならず、あくまで冷静に、愛する人を救い出さなければならない、彼女の強い意志が画面から伝わってくる。
よく「女性は強い」というが、これぞ女性ならではの特極の強さなのでは??と、感心せずにはいられなかった・・。
戦時中の厳しさの描写との効果で、なかなか重厚な作品に仕上がっていました。